フリースクール

埼玉のフリースクールの選び方|タイプ別の特徴と、補助金がない中での費用の考え方

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こんにちは、小幡和輝です。

僕は約10年間の不登校を経験しました。当時学んでいたのがフリースクールで、そこで過ごした時間が今の自分をつくったと思っています。その後は定時制高校を経て、国立大学に進学しました。いまはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」の代表として、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

今回、埼玉のフリースクールを調べていて、はっきりさせておかなければいけないことが出てきました。

埼玉県には、小中学生の保護者が使えるフリースクールの利用料補助が、事実上ありません。県は2025年12月の県議会で、補助制度の創設を求められたのに対し「国の責任において支援すべき」という立場を示しています。さいたま市、川口市、川越市、越谷市にも制度は見当たりませんでした。県内で唯一見つかったのは吉川市の制度ですが、こちらは対象が15歳以上の若者です。

東京都なら月2万円、隣の千葉県でも市によっては月2万円の補助が出ることを考えると、埼玉のご家庭は費用を自力で背負うことになります。だからこそこの記事では、費用の考え方をいつもより丁寧に書きます。

そのうえで、大前提をひとつ。フリースクール選びは「どこがいいか」ではなく「どのタイプがうちの子に合うか」で考えたほうが、うまくいきます。評判のいい場所に入れても、その子がいま必要としているものと違えば続きません。逆に、目立たない小さな場所がぴったりはまることもあります。

施設の情報は2026年9月に公式サイトと自治体の公表資料で確認しています。

埼玉のフリースクールは、大きく4つのタイプに分かれる

同じ「フリースクール」という名前でも、中でやっていることはかなり違います。おおまかに分けると次の4つです。

学習支援型は、勉強の遅れを取り戻すことに重心があります。個別指導や少人数授業が中心で、進路の相談にも強い。勉強が止まっていることへの不安が大きいご家庭に向いています。

居場所型は、まず安心して過ごせる場所をつくることを大事にします。何をするかは本人が決める。勉強しない日があってもいい。学校で消耗してしまった直後の子には、このタイプが合うことが多いです。

体験活動型は、農作業や調理、ものづくりといった活動が軸になります。机に向かうことがしんどくなってしまった子でも、活動を通してなら人と関われます。

訪問・オンライン型は、通わずに家で受けられる形です。まだ外に出るのが難しい段階では、これが唯一の入口になることもあります。

タイプに優劣はありません。そして、いま合うタイプと半年後に合うタイプは変わります。最初の一つで決めきらなくていいんです。

タイプ1:学習支援型|勉強の遅れが不安なら

松実高等学園 中等部(春日部市)

春日部に初等部から高等部まで揃えている学園です。中等部は中央ANNEXという校舎にあります。少人数の個別指導に加えて、キャンプ、バーベキュー、球技大会、学園祭と、学校らしい行事がひととおりあるのが特徴です。

出席扱いへの対応が手厚い点は書いておきたいところです。公立の小中学校で校長を務めた経験のある相談役が、在籍校まで説明に伺ってくれます。学校との交渉が不安なご家庭には心強い体制です。費用は公開されていないので問い合わせが必要です。

なお2019年当時は「埼玉松実高等学園」という表記でしたが、現在の正式名称は「松実高等学園」です。

浦和高等学園 小学部・中学部(さいたま市浦和区)

2026年7月に校舎を分けて、小学部と中学部は浦和区前地の校舎になりました。以前は中学生のみでしたが、小学部も開設されています。

週1日から5日まで選べて、個別指導や放課後登校から始めることもできます。臨海学校、スノーボード、紅葉ハイキング、学園祭と行事が非常に多く、参加率も高いそうです。「令和4年度はすべての在籍小中学校で出席扱いとしていただきました」と明記されていて、毎月の報告体制も整っています。費用は公開されていないため問い合わせが必要です(選考料は20,000円)。

自然学園(春日部市)

ここは性格がはっきりしています。学習障害やADHD、自閉スペクトラム症など、発達に特性のある子への支援に特化した場所です。国語と算数・数学を中心に個別対応で進め、調理実習などの生活スキル訓練もあります。

「在籍小学校および中学校との連携により、当学園に通園することで指導要録上、出席扱いとなります」と明記されています。さいたま市が公表しているフリースクール等一覧にも掲載されています。小中学部の費用は公開されていないため問い合わせが必要です。

星槎学園中等部 大宮校(さいたま市北区)

星槎グループが2021年4月に開校した、完全週5日制の中学生向けの場所です。「プラチナフリースクール」という名前がついています。住んでいる地域の公立中学校に籍を置いたまま通う仕組みです。

「成績の偏差値よりも成長の変化値」を掲げ、人との関わりを教育の中心に置いています。入学手続時に355,390円、授業料が年間630,000円と、費用は高めです。2027年度の新入生募集が始まっています。

なお2019年の記事では「星のいかだ教室」という名前で紹介していましたが、これは旧称です。

タイプ2:居場所型|まず安心できる場所がほしいなら

フリースクールりんごの木(越谷市/NPO法人越谷らるご)

せんげん台駅から徒歩1分。埼玉の居場所型のなかで、もっとも情報が整っていて、考え方もはっきりしている場所でした。

大人が活動を決めるのではなく、子どもたちが自主的に決める。スタッフを「先生」ではなく「〇〇さん」と呼ぶ。ゲームでもまんがでも勉強でもスポーツでも、何をして過ごしてもいい。毎日「学習タイム」はありますが、参加は希望者だけです。6歳から20歳までが対象。

出席扱いについても具体的です。「実際りんごの木の多くの子どもたちはこれまで出席扱いになっており、出席日数などを記載した報告書を学校へ送付します」「学校側の理解が必要な場合はスタッフが学校を訪れ説明することもしています」と書かれています。学割定期券も使えます。

入会金50,000円、いつでもコース月33,000円(2026年7月に値下げされました)、ときどきコース月15,750円。減免制度と兄弟姉妹割引があります。補助制度がない埼玉では、これはありがたい配慮です。なお2026年7月から開所が週5日から週4日(木曜休み)に変わっています。

NESげんこつ(越谷市)

北越谷駅の近くにあります。放課後等デイサービスや学童保育を併設した複合施設で、外遊び、調理実習、お出かけを大事にしています。

費用の設計が親切です。入室金は無料、年会費3,000円。フリースクールは週1回で月12,600円、通い放題で月38,000円。体験入室が4回まで無料で、長期休みの加算もありません。第二子以降は30%引き、ひとり親家庭は15%引きです。

出席扱いについては、「フリースクール出席は、学校の出席となります」とはっきり書かれています。越谷市教育センターの公式ページにも掲載されています。

タイプ3:体験活動型|手を動かすことから始めたいなら

彩星学舎(さいたま市)

1999年から続くフリースクール・サポート校です。掲げているのは「農作業、調理、大工作業や、朗読、演劇の発表を通して、参加者全員の新たな役割や可能性を探る場所」。埼玉で体験活動をここまで前面に出している場所は、今回調べたなかではここだけでした。

小学生から中学生、高校生、さらに青年・大人まで受け入れています。ひとつ注意点として、公式サイトに日付の入った更新情報がなく、住所の表記も資料によって複数あります。訪問前に電話で通所先を確認することをおすすめします。

タイプ4:訪問・オンライン型|まだ外に出るのが難しいなら

アソマナ学園/アソマナオンラインフリースクール(さいたま市浦和区)

通所とオンラインの両方を持っているのが特徴です。ICT教材とアセスメントを使った学習支援が中心で、月1回のカウンセリングもついています。発達に特性のある子への支援に力を入れています。

出席扱いについて「文科省・さいたま市からのフリースクールにおける出席日数扱いの指針に対して、全ての項目でクリアしています」と明記しています。

通所は入学金39,800円、グループコース週1回49,130円から。オンラインなら入学金25,000円、月額28,350円+システム利用料3,800円と、通所よりかなり抑えられます。通えない時期をオンラインでつなぐ使い方ができます。

なお、以前の住所(南区白幡)とURLは変わっています。

クラスジャパン小中学園(オンライン)

冒頭に書いたとおり、僕が代表を務めているサービスです。完全オンラインのフリースクールで、家にいながら参加できます。在籍校で出席扱いになる仕組みを整えていて、これまで2000人以上の子どもをサポートしてきました。

埼玉は補助制度がないぶん、月々の負担をどう抑えるかが現実的な課題になります。近くに通える場所がない方、まだ外に出るのが難しい段階のお子さんには、入口として考えてもらえたらと思います。

別枠:全寮制という選択肢もあります

セカンドスクール(さいたま市)は、ほかとは性格が大きく違います。全寮制で、生活リズムの乱れやゲーム・ネット依存を含めた立て直しを目的としています。運動と木工・ウクレレ制作などの制作体験、規則正しい生活サイクル、個別学習と進学サポートの3本柱です。

「在籍校と連携した指導要録上の出席扱い対応」「入学期間は出席日数に計上される」と明記されています。費用は公開されていないため問い合わせが必要です。

家庭から離れる選択には勇気がいりますし、合う合わないもはっきり分かれます。ただ、家庭内だけでは動かなくなってしまった状況で、選択肢のひとつとして知っておく価値はあると思い、別枠で紹介しました。

見学のときに、必ず聞いてほしい5つのこと

ホームページとパンフレットだけでは、その場所の本当のところはわかりません。運営する側になって、余計にそう思うようになりました。見学に行ったら、この5つは必ず聞いてください。

1. 一日の流れを具体的に教えてください

時間割があるのか、来た子が自由に過ごすのか。ここがタイプの違いそのものです。「自由です」と言われたら、実際に昨日はどんな一日だったかまで聞いてみてください。

2. いま何人くらい通っていて、どの学年が多いですか

定員ではなく実際の人数です。中学生の子が行って、来ているのが小学生ばかりだと居づらい。その逆もあります。

3. 休んだとき、連絡は来ますか。誰から、どんなふうに来ますか

相性がはっきり出るところです。連絡が来ることを安心と感じる子もいれば、責められているように感じる子もいます。

4. 在籍校への報告書は出してもらえますか。どんな内容ですか

出席扱いを考えているなら必須の確認です。「出せます」だけでなく、実際の書式を見せてもらえると確実です。

5. 減免や割引の制度はありますか

埼玉ではこれを必ず聞いてください。補助金がないぶん、施設側が独自に用意している減免制度が唯一の頼りになります。りんごの木やNESげんこつのように、減免や兄弟割引を設けている場所があります。聞かなければ教えてもらえないこともあります。

そしてもう一つ。必ずお子さん本人を連れて行ってください。親御さんが気に入った場所と、本人が居心地よく感じる場所は、驚くほど一致しません。本人が玄関で足が止まるなら、それは答えです。

埼玉の費用を、どう考えるか

冒頭に書いたとおり、埼玉県には小中学生向けのフリースクール利用料の補助制度がありません。県議会での県教育長の答弁は「国の責任において支援すべき」というもので、国に対して経済的支援の検討を要望する立場です。さいたま市、川口市、川越市、越谷市のいずれにも制度は見当たりませんでした。

吉川市には「若者に対するフリースクール利用料助成」があり、月ごとの利用料の3分の1(月額上限1万円)が出ます。ただし対象は15歳から30歳未満で、義務教育を終えた若者向けです。小中学生のご家庭は使えません。

では、どうするか。現実的な手は3つあります。

ひとつめは、施設独自の減免制度を使うことです。りんごの木には減免制度と兄弟姉妹割引(2人目以降は半額)があり、NESげんこつには第二子30%引き・ひとり親15%引きがあります。「うちは経済的に厳しい」と正直に伝えてみてください。話を聞いてくれる場所はあります。

ふたつめは、通う日数を減らして始めることです。週5日で月4万円の場所も、週1日なら1万円台ということが少なくありません。りんごの木の「ときどきコース」は月4日まで15,750円です。いきなり毎日通う必要はありません。

みっつめは、オンラインを組み合わせることです。アソマナのオンラインは通所より月2万円ほど安く、クラスジャパンのようなオンライン専業のサービスもあります。通所とオンラインを月ごとに使い分けるご家庭も増えています。

それから、発達に特性があって受給者証が取れる場合は、放課後等デイサービスという選択肢もあります。費用は世帯年収が約890万円までなら月額上限4,600円、非課税世帯は無料です。埼玉のように補助制度がない地域では、この差はかなり大きくなります。

在籍校で出席扱いにしてもらうには

フリースクールに通った日を、学校の出席として認めてもらえる制度があります。文部科学省が要件を定めていて、最終的には在籍校の校長先生の判断で決まります。

手順はシンプルです。まず、通おうとしているフリースクールに「在籍校への報告書を出してもらえますか」と確認します。次に、在籍校の担任の先生に「この場所に通いたい」と相談します。そのうえで、フリースクールから毎月の活動報告が学校に届く形をつくる。これで校長先生が認めれば、出席として記録されます。

この記事で紹介したなかでは、松実高等学園中等部、浦和高等学園、自然学園、りんごの木、NESげんこつ、アソマナ学園、セカンドスクールが、公式に出席扱いへの対応を明記しています。とくに松実高等学園は元校長の相談役が在籍校まで説明に行ってくれる体制があり、学校との交渉に不安があるご家庭には大きな安心材料になります。

ひとつだけ言わせてください。出席日数のために子どもを追い立てないでほしいと思っています。出席扱いはあくまで、その子が安心して次に進むための道具です。目的ではありません。

埼玉全域から、もっと網羅的に探したい方へ

この記事ではタイプ別に10の場所を紹介しましたが、埼玉にはもっとたくさんのフリースクールがあります。お住まいの市で探したい方は、明光フリースクール公式メディアの埼玉県のフリースクールと補助金一覧をご覧ください。市区町村ごとに整理されています。

最後に

僕が不登校だったころ、親は相当悩んだと思います。でも最終的に「行かなくていい」と言ってくれました。あの一言がなかったら、今の僕はいません。

学校に行かない選択が、その子の可能性を狭めていいはずがありません。学ぶ場所は、学校以外にもあります。フリースクールはその一つです。

そして繰り返しますが、最初に選んだ場所が合わなくても、変えていいんです。合わなかったのは、その子のせいでも、その場所のせいでもありません。ただ、まだ出会えていないだけです。

この記事が、その出会いの手がかりになればうれしいです。

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僕自身も中学生までの10年間、不登校でした。しかし、その後は大学まで進学し、現在は会社の代表を務めています。

その経験を経て言えるのは「不登校は悪いことではない」ということ。行きたくない子を無理やり学校へ行かせるのも、良くありません。

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ABOUT ME
小幡和輝
1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。 不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。数百回の講演活動やオンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに1500人以上の不登校生徒をサポート。 テレビのコメンテーターなどメディア出演多数。著書に学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」など。ワタナベエンターテイメント文化人部門所属。