こんにちは、小幡和輝です。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時学んでいたのがフリースクールで、そこで過ごした時間が今の自分をつくったと思っています。その後は定時制高校を経て、国立大学に進学しました。いまはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」の代表として、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
この記事は2019年に書いたものを、2026年9月に全面的に書き直しています。今回の福井の調査結果は、正直に言って厳しいものでした。
2019年に紹介していた5か所のうち、3か所がすでに活動していません。
とくにお伝えしなければならないのが「福井スコーレ」です。2026年3月、8年の活動に幕を下ろしました。福井新聞と中日新聞の両方が報じていて、見出しには「不登校、公的支援が重要」「民間運営ジレンマも」という代表の言葉が並んでいます。代表の小野寺玲さんはSNSに「今日で福井スコーレの活動は終わりました。約8年間ありがとうございました」と書かれていました。
フリースクールの多くは、小さな団体の努力で成り立っています。福井県にも福井市にも、フリースクール利用料の補助制度は見当たりませんでした。福井市教育委員会の会議では「補助金であるが、金銭的な援助も必要だが…」という議論がされていますが、まだ制度にはなっていません。8年続いた場所が閉じたことと、支援制度がないことは無関係ではないはずです。
それでも、いま福井で活動している場所があります。しかもひとつは無料です。少ないですが、確実に開いている場所をお伝えします。
フリースクールは、大きく4つのタイプに分かれる
同じ「フリースクール」という名前でも、中でやっていることはかなり違います。おおまかに分けると次の4つです。
学習支援型は、勉強の遅れを取り戻すことに重心があります。個別指導が中心で、進路の相談にも強い。
居場所型は、まず安心して過ごせる場所をつくることを大事にします。何をするかは本人が決める。勉強しない日があってもいい。
体験活動型は、料理や手芸、山登りといった活動が軸になります。
訪問・オンライン型は、通わずに家で受けられる形です。まだ外に出るのが難しい段階では、これが唯一の入口になることもあります。
タイプに優劣はありません。そして、いま合うタイプと半年後に合うタイプは変わります。最初の一つで決めきらなくていいんです。
タイプ1:居場所型|まず安心できる場所がほしいなら
フリースペース いっぽ/いっぽっぽ(越前市・鯖江市)
まず費用を書きます。無料です。入会金も月謝もありません。
運営はNPO法人えちぜん青少年自立援助センター。2つの拠点があります。
いっぽは越前市府中(たけふ新駅前)。学習支援が月曜と水曜の10時から12時、自由時間が月曜から金曜の13時から16時。いっぽっぽは鯖江市神明町(神明駅前)。学習支援と自由時間が火曜の13時から16時、第3土曜にはカレー食堂もあります。
活動はゲーム、手芸、ストレッチ、山登り、料理、農業体験、作業体験と幅広い。
そして訪問支援が月曜から日曜の10時から20時(予約制)で受けられます。曜日も時間も幅が広く、しかも無料。これは福井でいちばん重要な情報かもしれません。
ひとつ注意点があります。ここは子ども専用の施設ではありません。「不登校・ひきこもり・ニート等の子どもから中高年まで」が対象で、小中高生も含まれますが、大人も利用しています。年齢層の幅を理解したうえで、まず見学に行ってみてください。
法人本部は越前市瓜生町(0778-29-3637)です。出席扱いについての記載はないので、必要な場合は直接確認してください。
マイプレイスTsubomi(若狭町/一般社団法人みんなの居場所withふくい)
若狭町鳥浜の三方ショッピングセンター「レピア」の中にあります。JR三方駅から徒歩13分。ショッピングセンターの中というのは、通いやすさの点でとてもいいと思います。人目を気にせず出入りできます。
費用は1日2,000円で、減額の制度もあります。小中学生が中心です。
特徴的なのは筆談やカードなど、多様なコミュニケーション手段に対応していること。話すことがしんどい子でも参加できる設計になっています。
出席扱いについては「文部科学省通知に基づいて、出席日数への読み替えについても働きかけます」と明記されています。
同じ法人は高校生から若者向けのユースセンター「Yupure」(お気持ち制=寄付制)も運営していて、さらに個別支援事業で訪問(アウトリーチ)支援とLINE・電話相談も行っています。学校内の居場所カフェも県内の複数校で実施しています。
敦賀市にも新しい拠点の準備が進んでいます。フリースクール「いちふる」として試行開催されていて、クラウドファンディングの活動報告が2026年7月に出ています。敦賀方面の方は、開設状況を問い合わせてみてください。
タイプ2:訪問型|まだ外に出るのが難しいなら
福井で心強いのは、上で紹介した2つの団体が、どちらも訪問支援を持っていることです。
いっぽの訪問支援は月曜から日曜の10時から20時(予約制)で、無料。withふくいの個別支援も訪問に対応していて、LINE・電話での相談もできます。
通える場所が少ない県で、家まで来てくれる選択肢があるというのは大きなことです。「まだ外に出られない」という段階でも、諦めないでください。
クラスジャパン小中学園(オンライン)
冒頭に書いたとおり、僕が代表を務めているサービスです。完全オンラインのフリースクールで、家にいながら参加できます。在籍校で出席扱いになる仕組みを整えていて、これまで2000人以上の子どもをサポートしてきました。
福井は施設の数がとても限られています。嶺北・嶺南とも通える距離に場所がない地域が多いので、オンラインという選択肢を知っておいてもらえたらと思います。
見学のときに、必ず聞いてほしい5つのこと
ホームページとパンフレットだけでは、その場所の本当のところはわかりません。運営する側になって、余計にそう思うようになりました。見学に行ったら、この5つは必ず聞いてください。
1. いまも受け入れていますか
福井ではこれを最初に聞いてください。今回調べた5か所のうち3か所が閉校・休校していました。ネットの情報が古いまま残っていることが多いので、必ず電話で確認してから動いてください。
2. どんな年齢の人が来ていますか
福井では特に重要です。いっぽのように、子どもから中高年まで幅広く受け入れている施設があります。悪いことではありませんが、お子さんが安心して過ごせる年齢層かどうかは、見学して確かめてください。
3. 訪問には来てもらえますか。費用はいくらですか
通える場所が少ない福井では、訪問が現実的な選択肢になります。いっぽは無料、withふくいも個別支援で対応しています。まず訪問から始めるという道があることを、覚えておいてください。
4. 在籍校への報告書は出してもらえますか
出席扱いを考えているなら必須の確認です。「出せます」だけでなく、実際の書式を見せてもらえると確実です。
5. 費用の減額はありますか
福井には補助制度がないぶん、施設側の減額制度が頼りになります。withふくいには減額の仕組みがあります。「経済的に厳しい」と正直に伝えてみてください。
そしてもう一つ。必ずお子さん本人を連れて行ってください。親御さんが気に入った場所と、本人が居心地よく感じる場所は、驚くほど一致しません。本人が玄関で足が止まるなら、それは答えです。
福井の費用について、正直に書きます
福井県にも福井市にも、フリースクール利用料の補助制度は見当たりませんでした。県の公式サイトを調べても、出てくるのは請願書、不登校対策の資料、教育振興基本計画といった施策文書ばかりで、保護者向けの助成の要綱や申請ページは存在しません。
福井市も同様です。2026年6月の定例教育委員会で「補助金であるが、金銭的な援助も必要だが…」という発言が議事録に残っていますが、議論の段階です。福井市が力を入れているのは「校内サポートルーム」(校内フリースクール)の設置拡充で、民間フリースクールの利用料補助ではありません。敦賀市、鯖江市、越前市、坂井市でも確認できませんでした。
隣の富山県には県全体で月15,000円の制度があり、石川県でも導入の要請が出ています。福井は北陸3県のなかでも、制度の整備がいちばん遅れている状況です。
では、どうするか。福井では次の3つが現実的です。
ひとつめは、無料の場所を使うことです。いっぽといっぽっぽは利用料も訪問も無料。これは福井でいちばん大きな選択肢です。
ふたつめは、公的な教育支援センター(適応指導教室)を確認することです。費用がかからず、出席扱いもはっきりしています。お住まいの市町の教育委員会に問い合わせてみてください。
みっつめは、放課後等デイサービスです。発達に特性があって受給者証が取れる場合、費用は世帯年収が約890万円までなら月額上限4,600円、非課税世帯は無料になります。補助制度がない福井では、この差はとても大きくなります。
なお県には「ふくいのこども・子育てSMILE応援金」という制度がありますが、これは活動する個人・団体への助成(こどもチャレンジ応援枠 上限10万円、団体活動応援枠 上限50万円)で、保護者の利用料補助ではありません。
在籍校で出席扱いにしてもらうには
フリースクールに通った日を、学校の出席として認めてもらえる制度があります。文部科学省が要件を定めていて、最終的には在籍校の校長先生の判断で決まります。
手順はシンプルです。まず、通おうとしているフリースクールに「在籍校への報告書を出してもらえますか」と確認します。次に、在籍校の担任の先生に「この場所に通いたい」と相談します。そのうえで、フリースクールから毎月の活動報告が学校に届く形をつくる。これで校長先生が認めれば、出席として記録されます。
福井では県が民間フリースクールの一覧を公表していません。県・県教育委員会のどちらのサイトにも、施設の一覧に相当するページは見つかりませんでした。つまり親御さんが自力で探すしかないというのが現状です。
だからこそ、この記事で紹介した2つの団体のように、複数の事業(居場所・訪問・相談)を持っている団体に、まず相談してみることをおすすめします。その団体で合わなくても、地域のほかの場所を教えてもらえることがあります。
ひとつだけ言わせてください。出席日数のために子どもを追い立てないでほしいと思っています。出席扱いはあくまで、その子が安心して次に進むための道具です。目的ではありません。
福井全域から、もっと網羅的に探したい方へ
この記事では現在の運営が確認できた場所に絞ったため、紹介したのは2つの団体(3拠点)だけです。ほかにもある可能性は十分にあります。お住まいの市で探したい方は、明光フリースクール公式メディアの福井県のフリースクールと補助金一覧をご覧ください。市区町村ごとに整理されています。
最後に
僕が不登校だったころ、親は相当悩んだと思います。でも最終的に「行かなくていい」と言ってくれました。あの一言がなかったら、今の僕はいません。
学校に行かない選択が、その子の可能性を狭めていいはずがありません。学ぶ場所は、学校以外にもあります。フリースクールはその一つです。
今回、福井スコーレが8年の活動を終えたことを知りました。閉じるという判断をした代表の方の言葉に「公的支援が重要」とありました。場所を守るために誰かが身を削り続けなければいけない状態は、やはり続かないのだと思います。僕自身、この仕事をしている立場として、重く受け止めています。
それでも、いま福井で開いている場所があります。無料で家まで来てくれる人がいます。まずそこに連絡してみてください。
そして繰り返しますが、最初に選んだ場所が合わなくても、変えていいんです。合わなかったのは、その子のせいでも、その場所のせいでもありません。ただ、まだ出会えていないだけです。
この記事が、その出会いの手がかりになればうれしいです。





























