こんにちは。小幡和輝と申します。
全国100箇所で不登校の経験がある人を中心にイベントを開催したり「学校は行かなくてもいい」などの教育系の書籍を出版したりしております。

今回はそんな私が小学生の不登校について考えてみました。
やはり小学生のお子さんが不登校になると、勉強の遅れや交友関係の縮小など、親としては将来が本当に不安になりますよね。
ですが、不登校は本当に悪いことなのでしょうか?
僕は不登校は決して悪いことではなく、解決しなければならないとは思いません。
不登校になった要因はさまざまですし、学校に行かなくても学校の役割を果たしてくれるものはたくさんあります。
大切なのは学校に行くことではなくて、あなたの愛する子どもが幸せになることです。
この記事では、小学校を不登校になってしまう原因と、その対策方法について紹介します。
子どもが不登校になった原因をしっかりと考え、対策を講じることで、子どもが幸せになれる道を作って欲しい。1つでも参考になることがあれば嬉しいです。
目次
全国で3.5万人以上!小学生の不登校の統計的データ
そもそも不登校という状態は珍しいことなのでしょうか?
文部科学省が小学校での不登校者について調査した資料によると、平成29年度は全国で35,032人もの不登校の子どもがいます。(病気・経済的理由などを除く)
(参考:平成29年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)
また平成28年度の調査では不登校の子どもの人数は30,448人だったため、1年で5000人以上も増加していることがわかります。
(参考:平成28年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)
不登校の人数が増えている理由はさまざまな要因が絡み合っているため一概には言えません。
しかし、私は不登校の増加を決してネガティブに捉えてはおらず、むしろ以前に比べて不登校に対する認知と理解が深まっている結果だとも思っております。
むしろ子どもに我慢を強いて無理やり学校に通わせることで、自殺などの重大な問題に発展することもあります。
自分の子どもが不登校になると、親として焦ってしまう気持ちはわかります。しかし、全国的に見ても不登校が決して珍しいことではないこと、ネガティブなものでないこと、この2つについてよく考えて見てください。
小学生が不登校になる原因7選

ここでは小学生の子どもが不登校になってしまう原因を7つ紹介します。
- 環境の変化に対応できない
- 親と長時間離れて生活できない
- いじめ・人間関係の悩み
- 勉強についていけなくなる
- 失敗を怖がる
- 反抗期を迎える
- 何となく、行く意味を見いだせなくなる
もちろんこの他にもさまざまな原因はありますが、比較的よく理由として挙げられるものをピックアップしました。
原因をしっかりと確認することで、子どもが幸せになれるような対策を考えるようにしましょう。
【小学生の不登校の原因その1】
環境の変化に対応できない
幼稚園や保育園から小学校へ入学することで、子どもの環境は大きく変化します。
時間通りに決められた席に座る、新しい友達とコミュニケーションをとるなど、新たなルールにストレスを感じてしまい、不登校になってしまう場合が多いです。
【小学生の不登校の原因その2】
親と長時間離れて生活できない
小学校低学年にありがちな理由なのですが、親(特にお母さん)と長時間離れることに強い不安を覚え、不登校になってしまうケースです。
母子分離不安型とも呼ばれ、親以外の人と接触することに強い抵抗を示します。
反対に親と一緒であれば不安を感じることはないので、自宅や家族と一緒に出かけているときは元気です。
【小学生の不登校の原因その3】
いじめ・人間関係の悩み
悪口や暴力、靴を隠されるなどの嫌がらせが、不登校の原因となってしまうことはよくあります。
いじめの発端は些細な内容が多く、仲間内で少し変な発言をしてしまった、うまく遊びに混ざれなかったなどさまざまです。
高学年になれば男女の恋愛感情などをからかわれることも増えるため、複雑化した人間関係に耐えられずに不登校になってしまうこともあります。
また、仲の良い友達がいない、人見知りで話すことが苦手など、コミュニケーションをうまく取れず、学校を楽しい場所と感じないという子どもも多いです。
【小学生の不登校の原因その4】
勉強についていけなくなる
小学校3~4年生くらいになると、勉強する内容が広くなり、より本格的なものへと変わります。
そこで勉強についていけなくなり、テストで思うような点数が取れなかったり、宿題ができなかったりして負い目を感じ、不登校になる事例です。
特に中学年くらいになると、周りの人と自分を比べるようになってしまうので「周りに比べて自分はできない」とふさぎこんでしまうことも考えられます。
学力に関しては、すららのようなインターネットを使って自宅で学習できる教材を使えば解決することができます。特にすららは所属している学校の出席扱いにもなる教材なのでオススメです。
すららについての詳しい記事はこちら
>>【評判】すららの5つの特徴とメリットを徹底解説【不登校生におすすめ】
【小学生の不登校の原因その5】
失敗を怖がる
自分が苦手なものに対する失敗を恐れ、授業を休みがちになるケースです。
特にサッカーやバスケットボールなどの団体競技や、歌の発表や図工などの芸術が苦手な小学生はたくさんいますよね。
年齢を重ねるにつれて、集団の中で自分だけうまくできなかったらどうしようという気持ちが強くなります。
人に怒られる、笑われるといった不安を拭えず、ずる休みを繰り返しているうちに学校に行かなくなってしまうのです。
【小学生の不登校の原因その6】
反抗期を迎える
小学校高学年になると、早い子だと反抗期を迎えます。
親や先生へ歯向かうような態度をとるために、学校をサボる子どもも多いです。
また習い事や受験勉強などを強制され、プレッシャーで抑圧された気持ちが爆発し、学校に行かなくなるというケースも存在します。
【小学生の不登校の原因その7】
何となく、行く意味を見いだせなくなる
決して勉強ができないことはないし、人とのコミュニケーションが取れないこともないのに、行く意味を見いだせずに不登校になってしまうこともあります。
何となく周りと会話が合わなかったり、学校を楽しく感じなかったり。
そんな日々を過ごしていると、軽い言い争いやいじめなど、ふとしたキッカケが原因で学校に行かなくなってしまいます。
小学生の子どもが不登校の時に親が取るべき対策7選

小学生の子どもが不登校になったとき、親はどのような対策をとればいいのか7つの手段を紹介します。
- 学校を休ませる
- 子どもの話を聞く
- いろいろなものに触れさせる
- 自信をつける
- 学校の先生を交えて話をする
- 学校に行く以外の道を考える
- 学校のほかに居場所を作ってあげる
さまざまな対策を並べましたが、まず一番に考えて欲しいことは「子どもが幸せになる方法を取る」ということです。
そもそも無理やり行きたくもない学校に戻す必要はあるのでしょうか。
もちろん学校に戻りたくても戻れないという子どももいるので、まずは子どもの状況を確認しながら対策を行ってくださいね。
【小学生の不登校の対策その1】
学校を休ませる
子どもが「学校に行きたくない」と言ってきたなら、それを否定せずにまずは休ませてあげてください。
子どもはいま、学校に通うことに対して不信感を抱いています。
そこで強引に学校に行くように促してしまうと、子どもの居場所がなくなり、自殺などのより悲惨な状況を生み出しかねません。
まずは「しばらく休んでもいい」と、不登校を認めてあげてください。
【小学生の不登校の対策その2】
子どもの話を聞く
子どもと落ち着いて話ができる機会を作ってください。
ここで「なんで行きたくないの?」という言葉を使うことはおすすめしません。
まだ小学生なので、学校に行きたくない理由を上手に説明できないことも多いです。
また安易に解決に導こうとするのも良くありません。
なので、まずは「行きたくないなら行かなくてもいい」というスタンスで話を聞いてあげましょう。
【小学生の不登校の対策その3】
いろいろなものに触れさせる
とにかく子どもが興味を持って夢中になれるものが無いか、いろいろなものに触れさせましょう。
例えば動物園や水族館などの施設に連れて行くのもいいですし、自宅でインターネットを使って動画を見せるのもOKです。
夢中になれるものが見つかれば、そこから学ぶ意欲が高まり、学校に行きたいという気持ちが芽生えるかもしれません。
学校に関係ないものでもいいので、子どもが興味を持てるものを見つけるために、いろいろなものに触れさせてください。
【小学生の不登校の対策その4】
自信をつける
子どもが自分に自信を持てるようになるために、いろいろな取り組みに関しての頑張りを褒めてあげましょう。
不登校になる理由の1つとして、勉強ができない・他人と比べて自分が劣っているように感じるという自己肯定感の低さが挙げられます。
例えばお手伝いを頼んで、ちゃんとできたら褒めてあげる。
子どもが興味を持って取り組んでいる事柄に対して、進展があったら一緒になって喜ぶ。
こうすることで自分に自信が持てるようになり、不登校からの回復が期待できます。
【小学生の不登校の対策その5】
学校の先生を交えて話をする
学校に戻ってもらいやすくするために、学校の先生を家に呼び、話し合うことも有効です。先生と信頼関係を築くことで、学校でも心のよりどころを見つけやすくなります。
ただし、特別扱いされることを嫌う子どもも少なからずいるので注意してください。先生を家に呼ぶかどうかは、前もって子どもと話をしてから決めるようにしましょう。
もちろんその時には「先生は怒ってない」ということもしっかりと伝えてくださいね。
【小学生の不登校の対策その6】
学校に行く以外の道を考える
僕は学校に行くことだけが正しい正解だとは思っていません。
そもそも学校に行かないことによるデメリットの大半は「勉強に遅れてしまう」や「友達ができなくなる」という点です。
学力に関しては、すららネットのようなインターネットを使って自宅で学習できる教材を使ったり、YouTubeで動画を見ながら勉強したりすることで補えます。
特にすららネットは所属している学校の出席扱いにもなる教材なのでオススメです。
すららについての詳しい記事はこちら
>>【評判】すららの5つの特徴とメリットを徹底解説【不登校生におすすめ】
交友関係も、中学生になって新たなスタートを切ることで、すんなりと友達ができることも十分ありえます。
決して学校に行くことだけが子どもの幸せにつながるとは思わず、いろいろな道を提案してあげてください。
【小学生の不登校の対策その7】
学校のほかに居場所を作ってあげる
学校のほかに落ち着けるような居場所を作ってみてください。
例えば音楽の習い事やプログラミングスクールなどです。
最近だと、趣味があう人とSNSでつながってコミュニティを作ることもできます。
学校に行かくなった時間を、何か興味があったり得だったりするものに注いで、そのコミュニティに所属してみましょう。
心地よい場所づくりができると、不登校だからと言って人間関係に悩む必要はなくなります。
不登校の兆候かも?小学生の不調のサインと取るべき行動

朝になるとお腹が痛くなったり、学校に行き渋ったり。まだ登校しているものの、お子さんの様子が気になっている方もいるでしょう。
下記のような行動はすべて、不登校の兆候である可能性があります。
- 最近ずっと元気がない
- 勉強をまったくしなくなった
- ゲームやスマホばかりしている
- 学校の話を急にしたがらなくなった
- 朝になるとお腹が痛くなる
これらの行動を取っているときはまず、受け入れることが大切です。心配な気持ちはわかりますが、無理に話を聞こうとしてはいけません。
ここで親御さんが詮索してしまうと、「嫌なことを無理強いされている」という意識が強くなり、そのまま状況が悪化する可能性が高いです。
だらけていたり甘えに見えたとしても、叱ってはいけません。頑張りきれずに追い詰められている状況で、休息が必要なサインだからです。
特に連休明けなどに行き渋りをするお子さんは多いもの。1〜2日休ませると、心を充電して学校に通えるようになることもあります。
まずは焦らず、受け入れることが大切です。
不登校がけして甘えではない理由は、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>不登校は甘えじゃない!お子さんを叱ってはいけない理由と5つのすべきこと
不登校になった子がわがままになった?2つの理由と対処法

お子さんの意志を尊重して学校を休ませたはいいものの、急にわがままが加速してきたという悩みを抱えている親御さんもいるのではないでしょうか?
お子さんの行動が変わるのにも理由があります。しっかり理解して、適切な対応を取りましょう。
- 趣味以外のことをやらない
- 生活リズムが昼夜逆転している
2つのパターンを解説します。
【わがままに見える行動1】
趣味以外のことをやらない
趣味以外のことを一切やらない状態は、それがやりたいから続けているとは限りません。やりたいことが見つからなかったり、気力が起きなかったりした結果、同じことを続けている可能性も。
本人が楽しんでいるとは限らないので、趣味を取り上げないようにしましょう。時間を置いて気持ちが回復してくれば、お子さん自身から行動する日は来ます。
実際の不登校体験者にも、とことん趣味をやり続けてから次のステップに移った方は多くいらっしゃいます。
【わがままに見える行動2】
生活のリズムが昼夜逆転している
生活のリズムが昼夜逆転していると、ますます学校にいけなくなると焦る親御さんもいるでしょう。夜に活動してしまう原因は以下のようなものが上げられます。
- 生活環境が乱れている
- パソコンなどのやりすぎ
- 学校の不安や緊張で夜眠れない
- 日中学校に通う時間に起きていると罪悪感を抱くのが嫌
このように、環境や行動が原因の場合もあります。一方で、学校に関するプレッシャーから生活が乱れることもあるのです。
昼夜逆転を直すには、日中に活動する目的を作ってあげることが大切です。学校に戻るためではなく、お出かけや趣味のためなど、お子さんが楽しいと思える動機づけをしてあげるといいでしょう。
小学生が不登校になったときに勉強習慣を作る3つのコツ

小学生のお子さんが不登校になった場合、勉強の遅れが気になる親御さんも多いのではないでしょうか?
また、そもそも学力面でのストレスを抱えて学校に行かなくなったお子さんの場合は、早めに追いつけるようにしてあげたいと思う方もいるでしょう。
ここでは、小学生が不登校になったときに勉強習慣を作るコツを3つ紹介します。
- 無理に勉強させない
- 興味をもてる方法を探す
- 親も一緒に勉強する
ぜひ参考にしてください!
【勉強習慣を作るコツ1】無理に勉強させない
いきなり矛盾するようですが、無理に勉強させようとしてはいけません。特に学習面のストレスから不登校になった場合は、さらに拒否感を強める可能性があります。
小学校で習う内容は、普通に生活していれば身につくものも多いです。また、本人が勉強したいと思ってから学び始めても、すぐに埋められます。
そのため、まずは焦らないことです。これ以上、勉強に対して嫌悪感を抱くことがないようにしてあげましょう。
【勉強習慣を作るコツ2】興味をもてる方法を探す
お子さんが興味を持っていることを掘り下げてあげると、学ぶのが楽しくなります。
パソコンが好きならばどんどん触らせてあげると、プログラミングにも興味を持つかもしれません。もしくは、興味を持っている内容を一緒に調べたり、本を買ってあげたりするのも手です。
僕の場合はゲームや囲碁に打ち込みました。結果として、先を読む力や戦略を立てる力が身につき、会社経営にも役立っています。このように、学校の勉強ではないけれども考える力をつければ、将来に活かせることもあります。
遊びながら学力をつけたいならば、タブレット学習教材を使ってみてもいいでしょう。ゲーム感覚で取り組めるので、紙と本に向かうのが苦手なお子さんも楽しめる可能性があります。
特に「すらら」は条件を満たせば、不登校でも出席認定にできるタブレット学習教材なのでおすすめです。
【勉強習慣を作るコツ3】親も一緒に勉強する
小学生のお子さんに勉強してほしいなら、親御さんも横で一緒に勉強しましょう。
「勉強しなさい」という指示を出すだけでは、やらされているという気分になるため逆効果。どんどんやりたくない気持ちだけが強まってしまいます。そんななか、横で親御さんがテレビを見ていたりスマホをいじっていたりすれば、ますますやる気が下がります。
逆に、横で楽しそうに親御さんが本を読んだり、学習したりしていれば、学ぶのって楽しそうだとお子さんが思うきっかけになります。興味を持たせるには、まず学習を楽しむ姿を先に見せるのもポイントです。
小幡和輝からのメッセージ

僕が不登校なった原因は主に2つで、いじめや人間関係に苦しんで、そもそも行く意味もわからなくなって不登校になりました。
なんとなくからはじまる不登校って、サボってるだけじゃないかとか思われがちですけれど、本当にそうなんですよね。なんとなく行きたくないんです。
行きたくないというより、行くメリットがわからないというか。
僕の場合、別に勉強が嫌いなわけでもなかったので、学校以外で勉強したいなぁと思ったりもしました。
やりたいくない科目はやりたいないし、苦手なことでも頑張ってやろうというのはわかるんですけど、苦手なことをやり続けるというのは反対です。
学校にこだわる必要なんかない。
学校以外にも世界はめちゃくちゃ広がっています。不登校は不幸じゃない。
学校に行かないのであれば、その時間を他の形で有効に使えばいい。
学校に行かないという選択肢も伝えていきたいです。
