こんにちは、小幡和輝です。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時学んでいたのがフリースクールで、そこで過ごした時間が今の自分をつくったと思っています。その後は定時制高校を経て、国立大学に進学しました。いまはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」の代表として、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
今回、岡山を調べていて、明るい話が2つありました。
ひとつは、岡山市が2026年度に新しく補助金をつくったこと。「岡山市不登校児童生徒を支援する民間施設等利用支援補助金」で、月額上限10,000円(利用料の2分の1以内)。2026年度当初予算に2,050万円が計上されています。
もうひとつは、2019年に紹介した6か所すべてが、いまも運営していたこと。全国を調べてきて、7年前の施設が全部残っていた県はほとんどありません。ただし名称や住所が変わったところが複数あるので、そこは正確にお伝えします。
そのうえで、大前提をひとつ。フリースクール選びは「どこがいいか」ではなく「どのタイプがうちの子に合うか」で考えたほうが、うまくいきます。評判のいい場所に入れても、その子がいま必要としているものと違えば続きません。
岡山のフリースクールは、大きく4つのタイプに分かれる
同じ「フリースクール」という名前でも、中でやっていることはかなり違います。おおまかに分けると次の4つです。
学習支援型は、勉強の遅れを取り戻すことに重心があります。個別指導が中心で、進路の相談にも強い。
居場所型は、まず安心して過ごせる場所をつくることを大事にします。何をするかは本人が決める。勉強しない日があってもいい。
体験活動型は、ゲーム制作やマルシェ、キャンプといった活動が軸になります。
訪問・オンライン型は、通わずに家で受けられる形です。岡山はこのタイプが充実しています。
タイプに優劣はありません。そして、いま合うタイプと半年後に合うタイプは変わります。最初の一つで決めきらなくていいんです。
タイプ1:居場所型|まず安心できる場所がほしいなら
フリースペースあかね(岡山市北区)
NPO法人あかねが運営しています。まずお伝えしたいのは住所が変わっていることです。以前の関西町3-11から岡山市北区岡町16-9(備前三門駅)に移っています。
カリキュラムを設けず、ゲーム、楽器、おしゃべり、絵、読書など自由に過ごします。15時におやつの時間があるのがいいなと思いました。対象は不登校の小・中学生、高校生、ひきこもりの若者、そしてその保護者です。
出席扱いについては「岡山市内の小・中学校に在籍しているお子さんは、所定の申込手続きの上、所属学校の校長判断によって『出席扱い』となります」と明記されています。
そして「訪問やオンライン等の方法で学習や発達への支援も行っています」とのこと。通えない段階から使えます。
費用は入会金10,000円、居場所が1日1,100円または月11,000円(月に何度でも利用可)。親の会は入会不要で1回1,100円。家族2人目以降は月額5,500円と半額になります。開所は平日(火曜を除く)の12時から16時30分。伴走支援「マイ・サポーター」と放課後等デイサービスも運営しています。
無花果もえぎ フリースクール(岡山市・津山市)
2019年に「フリースクールもえぎ」として紹介した場所ですが、現在は「無花果もえぎ フリースクール」(NPO法人無花果/無花果グループ運営)になっています。2022年に津山キャンパスも開設されました。
岡山キャンパスは岡山駅から徒歩5分の一軒家。「ありのままを大切にする居場所」でカリキュラムを設けません。在籍は15人前後で、小学生2割・中学生8割です。
出席扱いについては「現在10校から出席認定をいただいております」と具体的に書かれています。
費用は月4回プランが月22,000円、月8回プランが月44,000円、これに事務管理費が毎月1,100円。そして「午前学費無償化」を実施しています。入会相談・見学・体験は無料です。系列の無花果高等学園(明誠高校の通信制サポート校)に進めば高卒資格も取れます。
ステップFS(岡山市北区)
2019年に「NPO法人ステップ」として紹介した場所です。サイトを全面リニューアルし「ステップFS」としてブランドを刷新しています。
いまの活動が面白い。ゲーム部、ヴァロ部、女子部といった趣味のコミュニティと、ゲーム制作部、マルシェ部、AI活用といった「作る・挑戦する」活動が中心です。受験対策や通信制高校のレポート勉強会もあります。
費用で注目してほしいのは、ベーシックプランが「月額9,900円(岡山市補助金利用時)」と、補助後の金額で示されていることです。ライトプランが月19,800円、スタンダードプランが月29,800円、訪問支援が月15,000円から。見学・体験は無料です。2026年9月3日にもお知らせが更新されていました。
タイプ2:訪問・オンライン型|まだ外に出るのが難しいなら
岡山はこのタイプが充実しています。今回調べた6施設のうち4施設が訪問支援を持っています。
志塾フリースクール岡山(岡山市北区)
2015年開設で10年目。アウトリーチ(訪問型・接触型支援)が事業の中心のひとつです。
掲げているのは「学校の授業・学習も大切だが、それ以上にさまざまな人との交流から生まれるコミュニケーション、好きなこと、興味あること」を重視すること。対象は小中高生で、訪問支援は40歳位までの若者も対象です。
費用は入会金10,000円、保険代が年約900円、月会費は1回利用1,300円(月の上限15,000〜20,000円)。訪問支援は1回6,000円、フリースクール会員なら1回3,000円です。開所は月・火・木・金の13時から17時。
総合学習サポートセンターSelfish(倉敷市・浅口市)
2006年創業のNPO法人で、茶屋町教室(倉敷市)と金光教室(浅口市)の2拠点。補習型の学習塾と家庭教師派遣が柱で、学習障害やADHD、不登校、ひきこもりへの個別対応をしています。家庭訪問サポートあり。
体験活動も柱のひとつと位置づけていて、毎年の沖縄キャンプを実施しています。費用は公開されていないため問い合わせが必要です。
クラスジャパン小中学園(オンライン)
冒頭に書いたとおり、僕が代表を務めているサービスです。完全オンラインのフリースクールで、家にいながら参加できます。在籍校で出席扱いになる仕組みを整えていて、これまで2000人以上の子どもをサポートしてきました。
岡山は美作や備中の山間部など、通える距離に施設がない地域があります。近くに場所がない方には、入口として考えてもらえたらと思います。
タイプ3:学習支援型|勉強の遅れが不安なら
明光フリースクール倉敷校(倉敷市)
正直にお伝えします。ここは僕が代表を務める会社が運営しているフリースクールです。身内の紹介になるので、事実だけ書きます。
2026年9月1日に開校したばかりです。倉敷駅南口から徒歩13分。小1から中3が中心で、高校生も参加できます。個別支援による学び直しに加えて、プログラミングやeスポーツにも取り組めます。
費用は入会金22,000円(現生徒・兄弟姉妹は無料)、ライトコース(週1回)月20,000円、ステップコース(週3回)55,000円、バランスコース(週5回)71,500円。昼食代は別途月16,500円です。開校記念で9月は利用料無料期間としています。
出席扱いについては「毎月発行の学習レポートを提出することで出席扱いになった事例が多数」と記載しています。「まだ外に出るのが難しい場合は、提携スクールでオンラインから始めることもできます」とも案内しています。
開校したばかりなので、岡山市の補助金登録施設一覧にはまだ載っていません。補助を前提に考える場合は、市と施設の両方に確認してください。
見学のときに、必ず聞いてほしい5つのこと
ホームページとパンフレットだけでは、その場所の本当のところはわかりません。運営する側になって、余計にそう思うようになりました。見学に行ったら、この5つは必ず聞いてください。
1. 岡山市の補助金の登録施設ですか
岡山市にお住まいならこれを最初に聞いてください。補助は「登録施設」の利用料が対象です。市が登録施設の一覧を公表しているので、事前に確認しておくと確実です。
2. 一日の流れを具体的に教えてください
時間割があるのか、来た子が自由に過ごすのか。ここがタイプの違いそのものです。「自由です」と言われたら、実際に昨日はどんな一日だったかまで聞いてみてください。
3. いま何人くらい通っていて、どの学年が多いですか
定員ではなく実際の人数です。無花果もえぎのように「在籍15人前後、小学生2割・中学生8割」と公開している場所もあります。
4. 訪問には来てもらえますか。費用はいくらですか
岡山は訪問支援を持つ施設が多い県でした。志塾フリースクール岡山は会員なら1回3,000円、ステップFSは月15,000円から、あかねとSelfishも訪問に対応しています。まず家から始めるという選択肢があります。
5. 在籍校への報告書は出してもらえますか
出席扱いを考えているなら必須の確認です。無花果もえぎのように「10校から出席認定」と具体的に言える場所もあります。
そしてもう一つ。必ずお子さん本人を連れて行ってください。親御さんが気に入った場所と、本人が居心地よく感じる場所は、驚くほど一致しません。本人が玄関で足が止まるなら、それは答えです。
岡山市の補助金が2026年度に始まりました
ここが岡山でいちばん大事なところです。
「岡山市不登校児童生徒を支援する民間施設等利用支援補助金」が2026年度に新設されました。
金額は補助対象経費の2分の1以内、児童生徒1人あたり月額上限10,000円。対象になるのは登録施設の令和8年度分の利用料で、入学金・入会金、施設整備費、教材費、交通費、食費は対象外です。
条件は5つあり、すべて満たす必要があります。岡山市内に住んでいること、過去1年間で学校を30日以上欠席していること、授業時間内に登録施設を利用して利用料を負担していること、教育委員会による情報共有に同意すること、市税の滞納がなく同種の補助金を受けていないこと。
申請は岡山市の電子申請サービスから行います(電話 086-803-1397)。
登録施設の一覧も公表されています。市内は、NPO法人あかね、無花果フリースクール、志塾フリースクール岡山、うえまつフリースクール、NPO法人ステップ、NPO法人フリースペースエル、IPUブリッジ。市外では、フリースクールたね(総社市)、竹林のスコレー(倉敷市)、体験ラボ(和気町)が対象です。
一方、岡山県には利用料の補助制度が見当たりませんでした。また倉敷市にも市独自の補助は確認できませんでした。ただし2025年10月から倉敷市教育委員会が民間施設の利用を在籍校の出席扱いの対象とする方針を始めたという情報が複数あります(市の公式サイトでは確認できなかったので、市教委に直接お問い合わせください)。
参考までに、美作市にはフリースクール授業料等の2分の1以内(学期ごと上限1万円)の助成があるという情報もあります。
東京都の月最大2万円と比べると岡山市は半分ですが、2026年に新しくできた制度であることに意味があると思います。ステップFSが「ベーシックプラン月額9,900円(岡山市補助金利用時)」と料金表に書けるようになったのは、この制度があるからです。
なお、発達に特性があって受給者証が取れる場合は、放課後等デイサービスという選択肢もあります。費用は世帯年収が約890万円までなら月額上限4,600円、非課税世帯は無料です。あかねのように放課後等デイサービスを併設している法人もあります。
在籍校で出席扱いにしてもらうには
フリースクールに通った日を、学校の出席として認めてもらえる制度があります。文部科学省が要件を定めていて、最終的には在籍校の校長先生の判断で決まります。
手順はシンプルです。まず、通おうとしているフリースクールに「在籍校への報告書を出してもらえますか」と確認します。次に、在籍校の担任の先生に「この場所に通いたい」と相談します。そのうえで、フリースクールから毎月の活動報告が学校に届く形をつくる。これで校長先生が認めれば、出席として記録されます。
岡山には便利な資料があります。岡山県が「不登校の児童生徒及びその保護者を支援する民間団体・施設」の一覧を公表しています(2026年8月31日更新)。岡山市、倉敷市、津山市、笠岡市、備前市、真庭市、鏡野町、和気町の施設が掲載されています。
岡山市の補助金の登録施設一覧も、実質的な「出席扱いに対応できる施設リスト」として使えます。
ひとつだけ言わせてください。出席日数のために子どもを追い立てないでほしいと思っています。出席扱いはあくまで、その子が安心して次に進むための道具です。目的ではありません。
岡山全域から、もっと網羅的に探したい方へ
この記事ではタイプ別に6つの場所を紹介しましたが、前述の県の一覧にはもっと多くの施設が載っています。まずそちらをご覧ください。お住まいの市で探したい方は、明光フリースクール公式メディアの岡山県のフリースクールと補助金一覧もご覧ください。
最後に
僕が不登校だったころ、親は相当悩んだと思います。でも最終的に「行かなくていい」と言ってくれました。あの一言がなかったら、今の僕はいません。
学校に行かない選択が、その子の可能性を狭めていいはずがありません。学ぶ場所は、学校以外にもあります。フリースクールはその一つです。
今回、岡山では7年前に紹介した6か所すべてが今も開いていました。閉じた場所を何度も見てきたなかで、これはとても心強いことでした。しかも半分以上が訪問支援を持っている。家から出られない子のところに行く、という選択をしている団体が、岡山にはこれだけあります。
そして繰り返しますが、最初に選んだ場所が合わなくても、変えていいんです。合わなかったのは、その子のせいでも、その場所のせいでもありません。ただ、まだ出会えていないだけです。
この記事が、その出会いの手がかりになればうれしいです。





























