フリースクール

島根のフリースクールの選び方|出席扱いに強い場所と、県が公表する12施設

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こんにちは、小幡和輝です。

僕は約10年間の不登校を経験しました。当時学んでいたのがフリースクールで、そこで過ごした時間が今の自分をつくったと思っています。その後は定時制高校を経て、国立大学に進学しました。いまはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」の代表として、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

島根を調べていて、まず正直にお伝えしなければならないことがあります。

島根県には、フリースクールの利用料を助成する制度がありません。これは「見つからなかった」という話ではなく、県が明確に答えています。2025年1月の「知事への提案箱」への公式回答に、こうあります。

「県教育委員会としては、現在、こうした学びの場への費用助成は考えていませんが、令和6年10月にフリースクール等連絡協議会を設置し、フリースクールに通う場合の、子どもたちが在籍している学校での出席認定や、学習した内容に応じた学習評価などについての課題を整理しながら、今後の支援の在り方を検討していくこととしています」。

お金ではなく、出席認定と学習評価の整理から始めるという方針です。2026年3月の県議会答弁でも同じ立場が示されていました。松江市・出雲市にも利用料補助は見当たりません。

ただし、この協議会には意味があります。県が12施設の一覧を公表していて、どこに何があるかが分かるようになっています。

そのうえで、大前提をひとつ。フリースクール選びは「どこがいいか」ではなく「どのタイプがうちの子に合うか」で考えたほうが、うまくいきます。評判のいい場所に入れても、その子がいま必要としているものと違えば続きません。

島根のフリースクールは、大きく4つのタイプに分かれる

同じ「フリースクール」という名前でも、中でやっていることはかなり違います。おおまかに分けると次の4つです。

学習支援型は、勉強の遅れを取り戻すことに重心があります。島根はこのタイプが中心で、通信制高校のサポート校を兼ねた場所が多いのが特徴です。

居場所型は、まず安心して過ごせる場所をつくることを大事にします。何をするかは本人が決める。

体験活動型は、イベントや体験活動が軸になります。

訪問・オンライン型は、通わずに家で受けられる形です。

タイプに優劣はありません。そして、いま合うタイプと半年後に合うタイプは変わります。最初の一つで決めきらなくていいんです。

タイプ1:体験活動型+訪問型|出席扱いを重視するなら

志塾フリースクール まつえ教室(松江市)

今回調べた島根の施設のなかで、出席扱いについての説明がもっとも詳しい場所です。専用ページ「原籍校との関わり方」に、こう書かれています。

入会時にスタッフが原籍校を訪問し、校長・担任と協議する(「現在までほとんどの学校でご理解を頂いております」)。毎月(学校によっては毎週)、出席状況・学習内容・体験活動・様子を書面で学校に報告する。「通室日数を出席日数として原籍校に認定してもらうことができます」(最終判断は校長、条件付きの場合あり)。さらに定期考査をスタッフの監督下で実施し、成績判定の参考にしてもらえる場合もある。実習先への通学定期券の購入支援もある。

ここまで具体的に書いている施設は全国でもそう多くありません。学校とのやりとりに不安があるご家庭には心強いと思います。

JR松江駅から徒歩3分。1997年開校の全国展開法人(大阪・岡山・鳥取・沖縄など16教室)で、体験活動とイベントが活動の柱。訪問支援(アウトリーチ)を正式メニューとして持っています。対象は小学生・中学生・高校生。

費用は入会金10,000円(兄弟在籍時は5,000円)、月会費29,000円、保険代年650円、空調費が夏期・冬期のみ月500円。訪問支援は料金が異なります。島根県内にはもう1拠点、いわみ教室(益田市)があります。学生寮もあります。

タイプ2:学習支援型|高校卒業まで見通したいなら

こころの宝石箱(松江市)

島大前の学園校舎と、宍道校舎の2拠点があります。今回調べたなかで、費用がもっとも明確に公開されていた場所です。

入学金22,000円。フリースクールコースは週2回で月22,000円、週3〜5回で月33,000円。通信制サポートコースは週3〜5回で月33,000円と諸活動費が年88,000円。保険が年5,070円です(高卒資格を希望する場合は松陰高校への入学費用が別途)。

特徴は常駐カウンセラーによる心のケアを前面に出していること。そのうえで高卒資格取得の学習支援が柱です。eスポーツ部、学園祭「ダイヤモンド祭」、バーベキューやデイキャンプといった体験活動も充実しています。対象は小・中・高校生と、社会に対応できない社会人まで。

2026年10月8日の体験会・相談会も告知されていて、活動は活発です。

みらい共創学園(松江市)

2019年に「さくら国際高等学校 松江キャンパス 松江未来学園」として紹介した場所ですが、大きく変わっています。

2026年4月、代表の交代にともなって名称が「みらい共創学園」に変わりました。さくら国際高等学校のキャンパス名も「松江キャンパス」から「島大前キャンパス」に。所在地も大正町から松江市学園2丁目13-10(島根大学前バス停 徒歩2分)に移っています。学園長は元小学校教員の大國貴之さんです。

週2〜4日通学の少人数制で、小中学校内容の「さかのぼり学習」から、さくら国際高等学校の高卒資格取得まで。教員免許を持つ講師が担当します。対象は中学生・高校生で、小学生の受け入れは記載がありません。

費用は公開されていないため問い合わせが必要です。令和9年度の新入生募集が始まっています。

アスキ高等学院(松江市)

松江市白潟本町の「しらかたBASE」2階。愛媛県の未来高等学校(河原学園)と提携していて、3年で高卒資格が取れます。スクーリングも松江市内で完結します。

高校生が中心ですが、公式サイトに「中学生も勉強できます」「高校生以外でもOKです!」と明記されていて、フリースクールコースもあります。「中3だけれど、高校進学に不安がある…」という相談にも対応しています。

学院長は小中高での勤務経験が豊富な元教員。「みんなの居場所。それがアス高!」を掲げていて、ネコがいたり外国人ボランティアが来たりと、アットホームな雰囲気です。無料塾も実施しています。費用は公開されていないため問い合わせが必要です。

タイプ3:訪問・オンライン型|まだ外に出るのが難しいなら

志塾フリースクールの訪問支援(松江市・益田市)

前述のとおり、志塾フリースクールは訪問支援を正式メニューとして持っています。島根で訪問を明示しているのは、今回調べたなかではここだけでした。

クラスジャパン小中学園(オンライン)

冒頭に書いたとおり、僕が代表を務めているサービスです。完全オンラインのフリースクールで、家にいながら参加できます。在籍校で出席扱いになる仕組みを整えていて、これまで2000人以上の子どもをサポートしてきました。

島根は東西に長く、隠岐もあります。通える距離に場所がない地域にお住まいの方、まだ外に出るのが難しい段階のお子さんには、入口として考えてもらえたらと思います。

なお2026年3月の県議会で、教育長が「県内を拠点とするオンラインフリースクールが立ち上がる予定」と答弁しています。島根発のオンラインの選択肢が今後増えるかもしれません。

島根県が公表している12施設

島根で探すなら、まずこの一覧を見てください。

県の「島根県フリースクール等連絡協議会」に参加している12施設が、島根県のサイトで公開されています(「その他の相談窓口」のページ)。チラシ「フリースクール紹介2026」のPDFも掲載されています。

掲載されているのは、子どもの居場所フリーダス(松江市)、みらい共創学園(松江市)、アスキ高等学院(松江市)、NPO法人スペース(松江市)、山陰教育研究所(出雲市)、フリースクールREわっく松江校(松江市)、志塾フリースクールまつえ教室(松江市)、志塾フリースクールいわみ教室(益田市)、フリースクールREわっく出雲校(出雲市)、フリースクール「アルペジオ」(益田市)、みかたーNET(雲南市)、フリースクールたかきじゅく(出雲市)。

県は「掲載しているフリースクール等は、島根県教育委員会が所管しているものではありません」と注記していますが、県の協議会に参加している=行政と話ができる関係にあるということなので、出席認定の相談もしやすいはずです。

松江市も独自に10施設の一覧を公表しています(2026年8月21日更新)。アスキ高等学院、こころの宝石箱、サクラ高等学院、志塾フリースクール、スペース、精華学園高等学校島根校、みらい共創学園、フリースクールREわっく、SISアカデミー、カルチャースクール「ハジマリの庭」です。

ひとつ補足させてください。この記事で詳しく紹介した4か所は、すべて松江市にあります。2019年当時の記事がそうだったためですが、いまは出雲市(REわっく出雲校、山陰教育研究所、たかきじゅく)、益田市(いわみ教室、アルペジオ)、雲南市(みかたーNET)にも選択肢があります。松江市以外にお住まいの方は、上の一覧から地元の施設を探してみてください。

見学のときに、必ず聞いてほしい5つのこと

ホームページとパンフレットだけでは、その場所の本当のところはわかりません。運営する側になって、余計にそう思うようになりました。見学に行ったら、この5つは必ず聞いてください。

1. 出席扱いの実績はありますか。学校訪問はしてもらえますか

島根ではこれがいちばん大事です。県が費用助成ではなく「出席認定と学習評価の整理」から始めると明言している以上、出席扱いをきちんと取れるかどうかが、いま最も価値のある支援になります。志塾のように「入会時にスタッフが原籍校を訪問する」場所もあります。

2. 対象学年は何歳からですか

島根は通信制高校のサポート校を兼ねた施設が多く、中学生・高校生が中心で小学生を受け入れていない場所もあります。必ず確認してください。

3. 費用はいくらですか

今回調べたなかで費用が公開されていたのは2か所だけでした。補助制度がない島根では、費用は事前に必ず確認してください。

4. 一日の流れを具体的に教えてください

時間割があるのか、来た子が自由に過ごすのか。ここがタイプの違いそのものです。「自由です」と言われたら、実際に昨日はどんな一日だったかまで聞いてみてください。

5. 県の連絡協議会に参加していますか

島根ならではの質問です。参加している施設なら、行政や学校との連携の道筋がある程度できています。

そしてもう一つ。必ずお子さん本人を連れて行ってください。親御さんが気に入った場所と、本人が居心地よく感じる場所は、驚くほど一致しません。本人が玄関で足が止まるなら、それは答えです。

島根の費用について、正直に書きます

冒頭に書いたとおり、島根県・松江市・出雲市のいずれにも、フリースクール利用料の補助制度はありません。

県は「費用助成は考えていません」と公式に回答しています。松江市が案内しているのは、青少年相談室(ふれあい教室)、青少年支援センター、オンライン学習支援『ボタンねっと』、訪問型支援員派遣事業『こねくと』の4つで、いずれも利用料補助ではありません。出雲市も「今後、フリースクールを含む多種多様な民設の居場所について実態や利用ニーズの把握を行い、どのような支援ができるかを含め方向性を模索していきたい」(2025年2月の子ども・子育て会議資料)という段階です。出雲市の市民満足度調査では「不登校児童、生徒が通えるフリースクールが他地域と比較して少ない」という声も上がっています。

では、どうするか。島根では次の3つが現実的です。

ひとつめは、県内10市町村にある12の教育支援センターを確認することです。公的な施設なので利用料の負担がありません。しかも島根県は、居住している市町村以外の隣接自治体の施設も利用できると案内しています。これは他県にはあまりない柔軟さです。

ふたつめは、松江市の『こねくと』(訪問型支援員派遣)や『ボタンねっと』(オンライン学習支援)を使うことです。市の事業なので費用はかかりません。

みっつめは、放課後等デイサービスです。発達に特性があって受給者証が取れる場合、費用は世帯年収が約890万円までなら月額上限4,600円、非課税世帯は無料になります。

在籍校で出席扱いにしてもらうには

フリースクールに通った日を、学校の出席として認めてもらえる制度があります。文部科学省が要件を定めていて、最終的には在籍校の校長先生の判断で決まります。

手順はシンプルです。まず、通おうとしているフリースクールに「在籍校への報告書を出してもらえますか」と確認します。次に、在籍校の担任の先生に「この場所に通いたい」と相談します。そのうえで、フリースクールから毎月の活動報告が学校に届く形をつくる。これで校長先生が認めれば、出席として記録されます。

島根では、県が連絡協議会で「出席認定や学習評価の課題を整理する」と明言しています。つまり県として、出席扱いをきちんと機能させる方向に動いているということです。お金の支援はまだありませんが、この整理が進めば、学校との交渉はしやすくなっていくはずです。

ひとつだけ言わせてください。出席日数のために子どもを追い立てないでほしいと思っています。出席扱いはあくまで、その子が安心して次に進むための道具です。目的ではありません。

島根全域から、もっと網羅的に探したい方へ

前述の県の一覧(12施設)と松江市の一覧(10施設)が、いちばん確実な手がかりです。お住まいの市町村で探したい方は、明光フリースクール公式メディアの島根県のフリースクールと補助金一覧もご覧ください。

最後に

僕が不登校だったころ、親は相当悩んだと思います。でも最終的に「行かなくていい」と言ってくれました。あの一言がなかったら、今の僕はいません。

学校に行かない選択が、その子の可能性を狭めていいはずがありません。学ぶ場所は、学校以外にもあります。フリースクールはその一つです。

島根県は費用の助成には踏み込んでいませんが、そのかわり「出席認定と学習評価をどう整理するか」から始めると明言しました。お金だけが支援ではない、という考え方だと思います。実際、通った日が出席になり、学んだことが評価されるようになれば、子どもも親も肩の荷が下ります。その整理が進むことを期待しています。

そして繰り返しますが、最初に選んだ場所が合わなくても、変えていいんです。合わなかったのは、その子のせいでも、その場所のせいでもありません。ただ、まだ出会えていないだけです。

この記事が、その出会いの手がかりになればうれしいです。

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僕自身も中学生までの10年間、不登校でした。しかし、その後は大学まで進学し、現在は会社の代表を務めています。

その経験を経て言えるのは「不登校は悪いことではない」ということ。行きたくない子を無理やり学校へ行かせるのも、良くありません。

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ABOUT ME
小幡和輝
1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。 不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。数百回の講演活動やオンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに1500人以上の不登校生徒をサポート。 テレビのコメンテーターなどメディア出演多数。著書に学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」など。ワタナベエンターテイメント文化人部門所属。