こんにちは、小幡和輝です。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時学んでいたのがフリースクールで、そこで過ごした時間が今の自分をつくったと思っています。その後は定時制高校を経て、国立大学に進学しました。いまはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」の代表として、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
この記事は2019年に書いたものを、2026年9月に全面的に書き直しています。
宮崎を調べ直して、まず驚いたのは宮崎市が27施設の一覧を公表していることでした(2026年4月1日更新)。しかも最新の日付で更新されています。
47都道府県を調べてきて、これは上位に入る整備状況です。多くの自治体では一覧そのものが存在せず、保護者がネット検索と口コミだけで探すしかありません。宮崎市にお住まいなら、まず市の一覧を手に入れるところから始められます。
そしてもうひとつ、宮崎には他県ではあまり見ない種類の場所があります。医療のデイケアとして運営されているフリースクール、eスポーツを軸にした場所、完全無料の場所。選択肢の幅が広い県です。
そのうえで、大前提をひとつ。フリースクール選びは「どこがいいか」ではなく「どのタイプがうちの子に合うか」で考えたほうが、うまくいきます。評判のいい場所に入れても、その子がいま必要としているものと違えば続きません。
宮崎のフリースクールは、大きく4つのタイプに分かれる
同じ「フリースクール」という名前でも、中でやっていることはかなり違います。おおまかに分けると次の4つです。
学習支援型は、勉強の遅れを取り戻すことに重心があります。個別指導が中心で、進路の相談にも強い。
居場所型は、まず安心して過ごせる場所をつくることを大事にします。何をするかは本人が決める。勉強しない日があってもいい。
体験活動型は、自然体験やものづくりといった活動が軸になります。
訪問・オンライン型は、通わずに家で受けられる形です。
宮崎にはこの4つに加えて、医療につながっている場所という、もうひとつの軸があります。順に紹介します。
宮崎にしかない選択肢:医療デイケアとしてのフリースクール
ふりすく
ここは、宮崎の特徴を最もよく表している場所だと思います。医療機関のデイケアとして運営されているフリースクールで、在籍校での出席扱いについても明記しています。
なぜこれが重要か、説明させてください。
不登校の子のなかには、医療的な支援が必要な段階の子がいます。強い不安、抑うつ、眠れない、起き上がれない。こういう状態のときに、ふつうのフリースクールに通わせると、本人も周りもつらくなります。かといって病院に行くだけでは、日中の居場所がありません。
医療デイケアとして運営されている場所なら、その両方を同じ場所で受けられます。体調に合わせて参加できて、専門職が常にいて、しかも出席扱いの手続きも通る。
お子さんがすでに医療機関にかかっている、あるいは心身の症状が強くて外出そのものが難しい。そういう段階なら、一般的なフリースクールより先に、ここを検討する価値があります。主治医に「ふりすくを使えますか」と聞いてみてください。
タイプ1:体験・特化型|好きなことから始めたいなら
ケアパケ(eスポーツ)
eスポーツを軸にした場所です。
「ゲームばかりしているから不登校になった」と思っているご家庭には、抵抗があるかもしれません。でも順番が逆のことが多いんです。学校に行けなくなった子が、唯一つながっていられる場所がゲームだった。そういうケースを僕はたくさん見てきました。
eスポーツを軸にした場所の価値は、ゲームができることではありません。その子がすでに持っている強みから始められることです。得意なことから入れば、人と話せるようになる。チームで動けるようになる。そこから先は、勉強でも進路でもつながっていきます。
ヒミツキチ森のがっこう
自然のなかの体験活動型の場所です。名前のとおり、森が舞台になります。
外で身体を動かすことは、生活リズムを戻すのにいちばん効きます。夜眠れない子が、一日外にいた日は眠れる。単純な話ですが、これが土台になります。
タイプ2:居場所型|まず安心して過ごせる場所を
educolabo(エデュコラボ)
利用料が無料の場所です。
無料であることの意味を、もう一度書かせてください。フリースクール探しでいちばん難しいのは、合うかどうかが通ってみないとわからないのに、月2万円3万円を先に払わなければならないことです。無料なら、まず行ってみることができる。合わなければ次を探せばいい。試せる回数が増えることが、そのまま選択肢の広さになります。
ZigZagCompass(ジグザグコンパス)
名前がいいと思いました。まっすぐではなく、ジグザグに進む。そのための羅針盤。不登校の子の道のりは、たいていまっすぐではありません。
DreamSupport
居場所と支援を組み合わせて運営している場所です。
タイプ3:オンライン型|通える場所が近くにないなら
オンラインfeat.
宮崎県内に、オンラインを軸にした場所があるというのは大きいことです。
宮崎は南北に長く、延岡・日向から都城・日南まで、県内の移動に時間がかかります。山間部(西米良、椎葉、諸塚など)からは、通える施設が実質的にありません。県内の事業者がオンラインをやっているなら、地元の学校事情や制度を理解したうえで支援してもらえます。これは全国規模のサービスにはない利点です。
クラスジャパン小中学園(オンライン)
冒頭に書いたとおり、僕が代表を務めているサービスです。完全オンラインのフリースクールで、家にいながら参加できます。在籍校で出席扱いになる仕組みを整えていて、これまで2000人以上の子どもをサポートしてきました。
近くに通える場所がない方、まだ外に出るのが難しい段階のお子さんには、入口として考えてもらえたらと思います。
見学のときに、必ず聞いてほしい5つのこと
ホームページとパンフレットだけでは、その場所の本当のところはわかりません。運営する側になって、余計にそう思うようになりました。見学に行ったら、この5つは必ず聞いてください。
1. 宮崎市の一覧に載っている施設ですか
宮崎市が27施設の一覧を公表しています(2026年4月1日更新)。市の一覧に載っているということは、市が存在を把握しているということです。学校に説明するときの材料にもなります。まず市の窓口で一覧をもらってください。
2. 医療や福祉との連携はありますか
宮崎ならではの確認です。ふりすくのように医療デイケアとして運営されている場所があります。お子さんが医療機関にかかっている、あるいは心身の症状が強い場合は、この点を必ず聞いてください。専門職がいるかどうかで、受けられる支援の質が変わります。
3. 費用はいくらですか。無料の場合、運営はどう成り立っていますか
宮崎には無料の場所(educolabo)と有料の場所の両方があります。無料の場合、行政の委託なのか、助成金なのか、寄付なのか。これによって来年も続いているかの見通しが変わります。子どもが安心して通う場所だからこそ、聞いていい質問です。
4. 在籍校への報告書は出してもらえますか
出席扱いを考えているなら必須の確認です。ふりすくのように公式に明記している場所もあります。「出せます」だけでなく、実際の書式や実績まで確認してください。
5. いま何人くらい通っていて、どの学年が多いですか
定員ではなく実際の人数です。中学生の子が行って、来ているのが小学生ばかりだと居づらい。その逆もあります。
そしてもう一つ。必ずお子さん本人を連れて行ってください。親御さんが気に入った場所と、本人が居心地よく感じる場所は、驚くほど一致しません。本人が玄関で足が止まるなら、それは答えです。
宮崎の補助金と、公的な支援について
正直にお伝えします。宮崎県にも宮崎市にも、フリースクールの利用料を補助する制度は見当たりませんでした。
隣の大分県の別府市には、利用料の4分の3(就学援助世帯は全額)を出す制度があります。鹿児島にも制度は確認できませんでした。九州のなかでも自治体によって差があるのが実情です。
ただ、宮崎には別の強みがあります。宮崎市が27施設の一覧を公表していることです。
補助金と一覧の公表、どちらが大事かと言われると難しいのですが、僕は「一覧を出している自治体は、次に制度をつくる可能性が高い」と思っています。施設を把握していなければ、補助の対象を定義できません。一覧があるということは、その前提がすでに整っているということです。
ですので、宮崎市にお住まいの方には、市の窓口に「利用料の補助はありませんか」と聞いてほしいと思います。問い合わせの数は、制度をつくる側にとって根拠になります。
そのうえで、費用を抑える方法を3つ挙げておきます。
ひとつめは無料の場所を使うことです。educolaboのように利用料のかからない場所が県内にあります。
ふたつめは市町村の教育支援センター(適応指導教室)です。公立で原則無料。宮崎市、都城市、延岡市をはじめ各市町村に設置されています。在籍校を通して申し込むのが一般的なので、まず担任の先生に聞いてみてください。
みっつめは放課後等デイサービスです。発達に特性があって受給者証が取れる場合、世帯年収が約890万円までなら月額上限4,600円、非課税世帯は無料で使えます。「フリースクール」という名前ではありませんが、日中の居場所として機能している事業所は県内各地にあります。
そして、お子さんが医療機関にかかっている場合は、医療のデイケアという枠組みで使える可能性があります。ふりすくのような形です。医療保険の対象になるケースがありますので、主治医に相談してみてください。これは宮崎の隠れた強みです。
在籍校で出席扱いにしてもらうには
フリースクールに通った日を、学校の出席として認めてもらえる制度があります。文部科学省が要件を定めていて、最終的には在籍校の校長先生の判断で決まります。
手順はシンプルです。まず、通おうとしているフリースクールに「在籍校への報告書を出してもらえますか」と確認します。次に、在籍校の担任の先生に「この場所に通いたい」と相談します。そのうえで、フリースクールから毎月の活動報告が学校に届く形をつくる。これで校長先生が認めれば、出席として記録されます。
宮崎で有利なのは、市が27施設の一覧を公表していることです。学校に説明するとき「宮崎市の一覧に載っている施設です」と言えるのは、大きな材料になります。
ひとつだけ言わせてください。出席日数のために子どもを追い立てないでほしいと思っています。出席扱いはあくまで、その子が安心して次に進むための道具です。目的ではありません。
宮崎全域から、もっと網羅的に探したい方へ
この記事では、特徴がはっきりしている場所に絞って紹介しました。宮崎市の一覧には27施設が載っています。お住まいの市町村から探したい方は、明光フリースクール公式メディアの宮崎県のフリースクールと補助金一覧もご覧ください。
最後に
僕が不登校だったころ、親は相当悩んだと思います。でも最終的に「行かなくていい」と言ってくれました。あの一言がなかったら、今の僕はいません。
学校に行かない選択が、その子の可能性を狭めていいはずがありません。学ぶ場所は、学校以外にもあります。フリースクールはその一つです。
宮崎を調べていて、いちばん心に残ったのは選択肢の種類の多さでした。森のなかの学校があり、eスポーツの場所があり、医療につながる場所があり、無料の場所がある。子どもの状態は一人ひとり違うのだから、受け皿もこれくらい違っていていいはずです。
そして繰り返しますが、最初に選んだ場所が合わなくても、変えていいんです。合わなかったのは、その子のせいでも、その場所のせいでもありません。ただ、まだ出会えていないだけです。
この記事が、その出会いの手がかりになればうれしいです。





























