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【保存版】ゲーム理論をわかりやすく徹底解説【3つの考え方と代表例】

こんにちは!小幡和輝と申します。
ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』というサービスを運営していたり、ゲームは人生の役に立つ」などの教育系の書籍を出版したりしております。

ゲーム理論は、戦略的な意思決定を行うために必要な理論です。主に交渉の場で有利に働く理論なので、習得したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

ところが、ゲーム理論の内容はわかりにくく、なかなか理解が難しいですよね。

そこで本記事では、ゲーム理論の概要や考え方について、どこよりもわかりやすく紹介します!

ゲーム理論について深く知りたいというかたは、ぜひご覧ください。

ゲーム理論とは、戦略的な意思決定をするための理論

ゲーム理論とは、戦略的な意思決定をするための理論です。とは言ってもなかなか意味が分からないと思うので、かみ砕いて説明していきますね。

ゲーム理論の目的は、交渉時の駆け引きを有利に進めること

ゲーム理論は一種の「交渉術」です。ゲーム理論をうまく用いると、交渉時の駆け引きを有利に進めることができます。

通常、交渉の場で考えることと言えば「どうすれば自分の利益が大きくなるか」ですよね。ところが、自分の利益ばかりを考えた取引は断られてしまう可能性が高く、現実的ではありません。

そこで、相手にもある程度の利益がありつつ、こちらが認められる限界の利益を求める方法がゲーム理論です。

つまり「関係者全員が納得して、かつ自分の利益が最も大きくなるような選択」ができるようになる交渉をするための理論とお考え下さい。

交渉相手も、自分の利益を最大限にしようと考える

ゲーム理論では、交渉相手も自分の利益を最大限にしようと考えます。

つまり、理論上では「お互いがお互いの利益のことしか考えない」状態が続いてしまいます。ところがこのままだと交渉が平行線をたどりますよね。相手の利益が大きくなる取引をこちらが飲むわけにはいきませんから。

そこで相手の考えを汲み取りながら、自分の利益を最大化する方法が求められるのです。

ゲーム理論の代表例「囚人のジレンマ」

ゲーム理論は「関係者全員が納得して、自分の利益が最も大きくなるような選択」を行う交渉術です。

とは言われても、具体的な内容を想像するのは中々難しいかと思います。

そこでこちらでは、ゲーム理論の代表例として説明されることの多い「囚人のジレンマ」を紹介します。

囚人のジレンマの定義

囚人のジレンマとは「個人が最適化を図ろうとして行った選択が、結果として全体の最適解にならないこと」を表しています。

自分の利益のみを追求している状態は、全体から見ると合理的ではない可能性があるということです。

囚人のジレンマが発生する状況例

囚人のジレンマが発生する状況例を説明します。

ある収容所に収監されている囚人2人が、お互いに意思疎通のできない場所で拷問を受けています。

彼らに与えられた選択肢は「自白する」もしくは「自白しない」です。この際、囚人には自白の状況によって、罪の重さが変わることが伝えられました。

  1. 片方が自白し、もう片方が自白しなかった場合、自白したほうは無罪で、しなかった方は懲役10年
  2. 両方自白しない場合は懲役2年
  3. 2人とも自白した場合は懲役5年

この場合、どの選択が最も合理的であるか、お分かりいただけるでしょうか?

自分にとっての魅力ある回答は、かえって不利益を生んでしまう。

この場合、自分にとって最も魅力のある回答は「自白をする」です。うまくいけば自分は釈放されるので、リスクを背負わずにすみますよね。

ところが、相手も同じことを考えて自白をした場合、懲役5年という2番目に重たい罪が決定してしまいます。お互いが個人の利益を求めて行動すると、かえって不利益を生んでしまうのです。

双方に利益があるのは、両方とも「自白をしない」で懲役2年を選ぶ行動ですが、仮に片方が利益を追求して自白をしてしまうと、自分にだけ懲役10年が課せられるというリスクが伴います。

最も行うべき選択は「自白をしない」なのに、リスクを回避するには「自白をする」を選択しなければならない。この悩みが囚人のジレンマを表しています。

もっとも合理的な判断は「自白をする」

では、最終的にどのような決断を下せばいいかというと、リスクを避けられる「自白をする」が最も合理的な回答です。

お互いに自白をしないという状況を作れるとは限らないので、懲役10年という最悪のケースを避けるためにも自白をするしかありません。

本来であれば「お互いに自白をしない」という最適解を求めたほうがいいのですが、個人の合理性を考えるなら自白が必須です。この状態を囚人のジレンマと呼びます。

ゲーム理論で使われる考え方3選

ゲーム理論では、色々な指標を用いて意思決定が行われます。

そこでこちらでは、ゲーム理論で使われる代表的な考え方を3つ紹介します。

なお、それぞれの考え方の例として「囚人のジレンマ」を用いますので、囚人のジレンマについて知らない方は前述の説明をご覧ください。

【ゲーム理論の考え方1】パレート最適化

パレート最適化は、プレイヤーの誰もが不利益を被らず、全体の利益が最適化される状況を指します。これ以上の利益を出すには、誰かを犠牲にしなければならないという状況です。

選択としては非常に理想的ではありますが、誰かが非協力的な対応を取ったときに均衡が崩れてしまい、誰かに不利益が流れてしまう恐れがあります。

囚人のジレンマの場合、どちらも「自白をしない」という選択を取れば、お互いに懲役2年という少ない罰で済みました。

このようにリスクがあるものの、誰も損をしない最適な回答をすることを、パレート最適化と呼びます。

【ゲーム理論の考え方2】ナッシュ均衡

ナッシュ均衡は、プレイヤーが最善の戦略を行い、自らの選択を変える必要が無い安定した状態を指します。

自らの選択を変える=より多くの不利益につながるというケースです。

囚人のジレンマの場合は、自白をすることがリスク回避にもつながり、最も合理的であると判断できるため、ここから選択を変える必要性がありません。これは2人の囚人の両方に言えることです。

この場合は回答に変更が無く、安定した状態になるので、ナッシュ均衡が働いていると言えるでしょう。

【ゲーム理論の考え方3】支配戦略

支配戦略は、他のプレイヤーがどのような決断をしたとしても、自分のとるべき行動が決まってる状態です。

相手の選択に関わらず自分の行動が最適化されるため、ここから選択を変える必要が無くなります。

囚人のジレンマの場合、相手が自白しようがしまいが、自分は自白をしておけば最も大きなリスクである懲役10年を避けられます。この状況は支配戦略だと言えるでしょう。

ちなみに囚人のジレンマの場合だと、双方に支配戦略を選択できる状況が生まれます。

お互いに支配戦略ができる状態を「支配戦略均衡」といい、支配戦略均衡はお互いに自らの選択を変える必要がなくなるため、ナッシュ均衡と同じ意味を持ちます。

ゲーム理論における「協力ゲーム」と「非協力ゲーム」とは

ゲーム理論では、関係者が協力的か、非協力的かを考えなくてはなりません。この関係性を間違えると、正しくない意思決定を行ってしまうことになるでしょう。

そこでこちらでは、ゲーム理論における協力ゲーム・非協力ゲームというものを説明します。

参加者が協力し合って利益を得る「協力ゲーム」

協力ゲームでは、参加者が協力し合うことでより多くの利益を獲得します。

個人の意思決定を優先するよりも、参加者全体の利益となる意思決定をした方が、かえって大きな利益を得られるでしょう。

代表的な例がM&Aや事業提携などです。お互いに非協力的になっている市場で、双方が利益を生み出すために協力し合うような意思決定を行います。

参加者が互いに戦う「非協力ゲーム」

非協力ゲームでは、参加者がお互いに非協力的で、戦いあう状況を指します。

受験勉強や就職活動、同じ市場での競合など、多くの場合は非協力ゲームのもと行われます。

例えば主要3キャリアの携帯電話がよい例です。
3キャリアはそれぞれ、携帯料金プランの金額を横並びにしていますよね。一見協力し合っているように見えますが、どこか1社が値段を下げると、たちまち争いが激化します。

常に相手の裏切りの可能性を抱えながら、意思決定を行っていく状態が、非協力ゲームです。

学術的な「ゲーム」と日本における「ゲーム」の違いとは

今回の記事ではゲーム理論という、学術的なゲームについて説明しました。今回お話ししたゲーム理論に使われている「ゲーム」は、日本における「ゲーム」と大きく意味が違います。

日本におけるゲームは、ネガティブな意味でつかわれることが多いです。「ゲームばっかりやって!」と親に怒られたことのある方はたくさんいるでしょうし「ゲーム脳」という言葉も生まれました。

同じゲームでも、囲碁や将棋などのボードゲームはよくて、テレビゲームはダメだという考えも深く根付いています。

反面、学術的にはゲームという言葉をポジティブにとらえています。ゲームによって脳の処理情報機能が向上するという論文が発表されていますし、ゲーム脳のようにネガティブに使われる言葉はありません。

本来、ゲームから学べることはたくさんあるはずなのに、ネガティブな印象を持たれているせいで機会を逃してしまっているのではないかと、僕は感じています。

ゲームを利用して、楽しく人生を生きるコツとは

僕は、ゲームは決して悪いことではないと考えています。僕は小学校から中学校まで不登校でしたが、その間に30,000時間くらいゲームで遊びました。そこから生まれた柔軟な発想力や、一緒にゲームをする仲間は今でも大切なものの1つです。

僕は「ゲームは人生の役に立つ」と心の底から思っています。今回のゲーム理論のように学術的で難しいものじゃなくても、学べるものはたくさんあるはずです。

僕が出した書籍『ゲームは人生の役に立つ』では、脳科学者や経営者の方々と、ゲームの有用性や将来性について真剣に話し合いました。

子育て本としても、社会人の自己啓発本としても気軽に読める内容になっているので、もしゲームに少しでも肯定的な考えを持っている方がいらっしゃいましたら、本を手に取って読んでいただけると嬉しいです。

世間のゲームに対する価値観が変わり、ゲームを通じて楽しい人生を送れる人が少しでも増えることを祈っています。

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ABOUT ME
小幡和輝
約10年の不登校を経験後、高校3年で起業。#不登校は不幸じゃない 発起人 メディア出演 『NHK おはよう日本』『フジテレビ バイキング』ほか多数。 著書に『学校は行かなくてもいい』『ゲームは人生の役に立つ。』『子ども稼ぐ力』など 詳しいプロフィールはこちらの記事をご覧ください!