フリースクール

山形のフリースクールの選び方|令和7年度に始まった通所補助と、料金がわかる県の一覧

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こんにちは、小幡和輝です。

僕は約10年間の不登校を経験しました。当時学んでいたのがフリースクールで、そこで過ごした時間が今の自分をつくったと思っています。その後は定時制高校を経て、国立大学に進学しました。いまはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」の代表として、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

この記事は2019年に書いたものを、2026年9月に全面的に書き直しています。

山形を調べ直して、正直に感心しました。理由は3つあります。

ひとつめ。山形県教育局の義務教育課には「多様な学び推進室」という部署があります。不登校支援を担当する専門の部署が、教育委員会のなかにある。これは全国でも多くありません。

ふたつめ。県が民間支援団体約19件と親の会約17件を公表していて、しかも団体ごとに県が作成した紹介シート(PDF)がついています。料金、対象、開所日が統一フォーマットで載っている。保護者が比較できる形で情報が出ている県は、全国的に見てもごくわずかです。

みっつめ。令和7年度から、フリースクール等の通所費用の補助制度が始まりました。ただし、この制度には注意点があるので、後半で正確に説明します。

あわせて、県は137ページの「不登校児童生徒の支援ハンドブック」も公表しています。ここまでやっている県は、そう多くありません。

そのうえで、大前提をひとつ。フリースクール選びは「どこがいいか」ではなく「どのタイプがうちの子に合うか」で考えたほうが、うまくいきます。評判のいい場所に入れても、その子がいま必要としているものと違えば続きません。

山形のフリースクールは、大きく4つのタイプに分かれる

同じ「フリースクール」という名前でも、中でやっていることはかなり違います。おおまかに分けると次の4つです。

学習支援型は、勉強の遅れを取り戻すことに重心があります。個別指導が中心で、進路の相談にも強い。

居場所型は、まず安心して過ごせる場所をつくることを大事にします。何をするかは本人が決める。勉強しない日があってもいい。

体験活動型は、自然体験や探究活動が軸になります。

訪問・オンライン型は、通わずに家で受けられる形です。

タイプに優劣はありません。そして、いま合うタイプと半年後に合うタイプは変わります。最初の一つで決めきらなくていいんです。

タイプ1:学習支援+体験のバランス型|毎日の居場所がほしいなら

フリースクールあにまる(山形市/023-600-2600)

山形で料金と出席扱いの両方を明確に公表している施設です。ここは詳しく書きます。

費用は通所型フリースクールが月額25,000円(週1〜3回)。しかも食事代込みです。夏休み(20日間)が20,000円、春・冬休み(10日間)が10,000円。送迎は山形市内1,000円、市外2,000円〜。訪問サポートとお母さんサポートが各10,000円〜。

この料金表の何がいいか。長期休みの料金が別立てになっていることです。夏休みは学校がないので、不登校の子にとっては「みんなと同じ」でいられる貴重な期間です。逆に、家にずっといると生活リズムが崩れる時期でもある。そこだけ使うという選択ができるのは、実務的にとても助かります。

そして「お母さんサポート」という項目があることにも注目してください。不登校で消耗するのは子どもだけではありません。母親が孤立することが本当に多い。そこにサービスを用意しているのは、現場を知っているということです。

出席扱いについては「学校との連携により出席扱いが可能」と明記しています。マンツーマン対応、月1回の課外授業、給食づくり、公園での運動、外部講師の講座。県外在住で一時的に山形に滞在している場合も認められることがあるとの記載もあります。

フルイドスクールterra/放課後まなびばterra+(天童市東本町/023-673-0882)

代表理事は元学校教員で、教職歴30年の方です。

費用は入所金5,000円、週2回コース16,000円、週3回コース24,000円。平日9時から15時、放課後の居場所は月・水・金の15時から18時30分。対象は小学生・中学生・高校生、そして教員と保護者も対象に含まれています。

「やってみたい」を応援し、自分で学習を選択できるシステムをとっています。受け入れは各曜日10名程度。

教員経験30年の人がフリースクールを開くというのは、意味のあることだと思います。学校の側の論理も、限界も、両方わかっている。出席扱いの交渉についても、学校がどう考えるかを知っている人が相手なら、話が早いはずです。

タイプ2:体験・探究型|庄内エリアなら

SORAI SCHOOL(鶴岡市/KIDS DOME SORAI/0235-26-8801)

ヤマガタデザイン株式会社が運営するKIDS DOME SORAIのなかにあります。

費用は会費2,500円/回+保険料800円/年。入所金なし。対象は小学3年生以上から中学生(高校生は対象外)。

活動は「ジブンプロジェクト」(月10時〜15時)、「みんなプロジェクト」(木13時30分〜17時30分)、「ジブン時間」(火・金10時〜15時)。個人プロジェクト活動と、「庄内の食と農」をテーマにした協働プロジェクトという構成です。定員は各10名/8名。

1回2,500円で入所金なしという設計は、試しやすい。そして大きな屋内遊戯施設のなかにあるので、「フリースクールに行く」という重さがありません。「ソライに行く」で済みます。この心理的なハードルの低さは、庄内エリアの強みです。

フリースクールWith優(米沢市/NPO法人With優/0238-33-9137)

月〜金の9時から17時。体験活動が中心で、野外活動、自炊訓練、キャンプ、工作などを行っています。

実績として「42人が高校・中学校・小学校へ進学、9人が定時制高校へ進学、33人が高卒認定試験に合格」と公表しています。

この数字の出し方が、僕は好きです。「全員が学校に戻りました」ではなく、定時制に行った人も高卒認定を取った人も、同じように数えている。戻ることだけを成功としていない。置賜エリアで探すなら、まずここです。料金は公表されていませんので、直接お問い合わせください。

タイプ3:居場所型|無料・低額で、まず試せる場所

山形の特筆すべき点は、無料の居場所が複数あることです。

生きる力を育むみんなの居場所 ここくる(山形市/コパル内/070-3121-5970)

入所金なし・会費なし。完全無料です(課外活動時のみ実費)。月・水・金の14時から20時(祝日休み)。相談は平日9時から17時。

クラフト、ボードゲーム、映画、料理、デジタルワーク。中高生限定の「Teen’s Time」があり、さらに障がい児のきょうだい向けの時間も設けられています。

きょうだい向けの時間があるというのは、めったにありません。障がいのある子のきょうだいは、家のなかで「しっかりしていなければいけない子」になりがちです。その子が何もしなくていい時間を用意している。この設計をした人は、ちゃんと見ている人だと思います。

そして20時まで開いているのも重要です。昼間は家にいて、夕方から動ける子には合います。

まなvivaかえる家/かみのやまこども食堂『かえる家』(上山市沢丁/090-9426-7996)

入所金0円・会費0円。無料です(教材購入時のみ実費)。フリースクールは平日9時から13時(学校の開校日のみ)。無料塾が火・木の19時から21時、水の17時から19時30分。対象は小学生・中学生・高校生。

こども食堂と一体で運営されているので、家庭の状況ごと引き受ける姿勢があります。

フリースペース雨やどり(山形市小荷駄町/認定NPO法人発達支援研究センター/090-8619-7003)

料金の設計が独特です。居場所利用が1回300円、学習支援が1回1,000円(イベントは実費)。居場所と学習支援を分けて値段をつけている。

これは合理的だと思います。今日は勉強する気がないけど居たい、という日に1,000円払わなくていい。子どもの状態の波に、料金体系が合わせてある。

対象は小中高生と、発達障がいのある青少年および保護者。10代の居場所「U-20」には大学院生のボランティアがいます。家族交流会、定時制・通信制高校の説明会も開いています。

若者相談支援拠点ひなた(酒田市/多機能福祉施設こもれび/0234-28-8255)

入所金・会費・その他経費すべて無料。火・金の9時30分から11時30分、水の13時30分から16時30分。庄内町・遊佐町でも月2回ずつ実施しています。

そして来所・訪問・電話・メール・LINEに対応しています。訪問があるというのが大きい。まだ家から出られない段階の子がいるご家庭は、ここに相談してみてください。

フリースクールよつば/フリースペースいろは(山形市南原町/NPO法人クローバーの会アットやまがた/023-664-2275)

小中学生の居場所づくりを行っています。フリースクール全国ネットワークの加盟団体で、東北で山形県から加盟しているのはここだけです。全国の同業者とつながっている団体ということです。

タイプ4:訪問・オンライン型|まだ外に出るのが難しいなら

山形は内陸(村山・置賜)と庄内が山で隔てられ、最上地域は人口が少なく施設も限られます。近くに通える場所がない地域は確実にあります。

県の一覧には、ほかに蔵王いこいの里(上山市)、ひがしねあそびあランド(東根市)、フリースペースまちかどカフェたまりば(新庄市)、未来人の会(最上町)、雨のち晴れ(真室川町)、から・ころセンター(米沢市)、みんなの居場所「にじ」(南陽市)、ゆにぷろ(高畠町)、自立支援センターふきのとう(鶴岡市)などが掲載されています。

クラスジャパン小中学園(オンライン)

冒頭に書いたとおり、僕が代表を務めているサービスです。完全オンラインのフリースクールで、家にいながら参加できます。在籍校で出席扱いになる仕組みを整えていて、これまで2000人以上の子どもをサポートしてきました。

近くに通える場所がない方、冬の移動が難しい方、まだ外に出るのが難しい段階のお子さんには、入口として考えてもらえたらと思います。

見学のときに、必ず聞いてほしい5つのこと

ホームページとパンフレットだけでは、その場所の本当のところはわかりません。運営する側になって、余計にそう思うようになりました。見学に行ったら、この5つは必ず聞いてください。

1. 県の通所補助の対象になりますか

山形ではこれを最初に聞いてください。令和7年度から始まった制度で、実施しているかどうかは市町村によって変わります。施設に「この制度で通っている子はいますか」と聞いてみてください。実例があるかどうかで、手続きのしやすさが変わります。金額や実施市町村は、県の多様な学び推進室(023-630-2407)に直接確認するのが確実です。

2. 費用はいくらですか。長期休みはどうなりますか

山形は県の紹介シートに料金が載っている施設が多いので、事前に調べやすい県です。それでも長期休みの扱いは施設ごとに違います。あにまるのように夏休みだけの料金がある場所もあります。お子さんが行ける時期と、料金の区切りを合わせてください。

3. 在籍校への報告書は出せますか。実績はありますか

山形では、これが補助金と直結します。県の補助制度は「指導要録上、出席扱いとすることができることとした児童生徒」が対象です。つまり出席扱いが認められていないと、補助も受けられません。「出せます」だけでなく、これまで何校で認められたかまで必ず聞いてください。

4. 冬はどうなりますか。送迎はありますか

山形ならではの、そして必ず聞くべき質問です。雪のあいだ、開所日や時間は変わりますか。あにまるのように送迎がある場所(市内1,000円、市外2,000円〜)もあります。冬の運用を先に聞いてください。

5. いま何人くらい通っていて、どの学年が多いですか

定員ではなく実際の人数です。SORAI SCHOOLのように定員が各10名/8名という場所もあります。中学生の子が行って、来ているのが小学生ばかりだと居づらい。その逆もあります。

そしてもう一つ。必ずお子さん本人を連れて行ってください。親御さんが気に入った場所と、本人が居心地よく感じる場所は、驚くほど一致しません。本人が玄関で足が止まるなら、それは答えです。

山形の補助金について。正確に書きます

山形県には「経済的困難を抱える児童生徒のフリースクール等の通所補助」という制度があります。令和7年度から創設されました。

この制度は良いものですが、仕組みを正確に理解しておかないと空振りします。3つのポイントを押さえてください。

ポイント1:県が直接お金をくれる制度ではありません。

県が公表しているのは「経費の一部を補助する市町村に対し、県が補助する」という形です。つまり間接補助です。実際に申請する窓口は市町村になります。お住まいの市町村がこの制度を実施していなければ、使えません。まず市町村の教育委員会に「フリースクールの通所補助はありますか」と確認してください。

ポイント2:出席扱いが前提条件です。

対象は「学校外の施設において相談・指導を受けている児童生徒のうち、校長が、当該相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができることとした児童生徒」です。

つまり先に出席扱いを認めてもらう必要があります。「補助金をもらってフリースクールに通い始める」のではなく、「通って、出席扱いが認められて、そのうえで補助」という順番です。ここを逆に理解していると、あてが外れます。

ポイント3:経済的困難の要件があります。

制度名のとおり、経済的な要件が設定されています。詳しい基準は市町村によって運用が異なる可能性があります。

そして正直に書きますが、金額・上限額・補助率・実施市町村名は、県の公表資料からは確認できませんでした。県サイト、ハンドブック本編・概要版、主要市のサイトを確認しましたが、金額の記載に到達できていません。

ですので、この制度を使いたい方は、山形県教育局 義務教育課 多様な学び推進室(023-630-2407)に直接お問い合わせください。実施市町村と金額は、ここで確認できるはずです。

もうひとつ、県のハンドブックに書かれている実務的な情報を紹介します。通学定期券です。鉄道・乗合バスの通学定期が適用でき、校長が各事業者に申請手続きを行います。遠方の施設に通う場合、これだけでも負担がかなり変わります。知らない人が多い制度なので、学校に確認してみてください。

そのほか、費用を抑える方法を3つ。

ひとつめ、無料の居場所を使う。ここくる、かえる家、ひなたは無料です。雨やどりは1回300円から。

ふたつめ、市町村の教育支援センター。山形県内26市町村に設置されています。適応教室「風」(山形市)、アウタースクール(天童市)、寒陵スクール(寒河江市)、ハートフルスクール(東根市)、シャイニングクラス(新庄市)、クオーレ(南陽市)、ほっとなるスクール(長井市)、おあしす(鶴岡市)、ふれあい教室(酒田市)など。公立なので原則無料です。

みっつめ、放課後等デイサービス。発達に特性があって受給者証が取れる場合、世帯年収が約890万円までなら月額上限4,600円、非課税世帯は無料です。

在籍校で出席扱いにしてもらうには

フリースクールに通った日を、学校の出席として認めてもらえる制度があります。文部科学省が要件を定めていて、最終的には在籍校の校長先生の判断で決まります。

山形では、これが補助金を受けられるかどうかにも直結します。ですので、他県より真剣に取り組む価値があります。

手順はシンプルです。まず、通おうとしているフリースクールに「在籍校への報告書を出してもらえますか」と確認します。次に、在籍校の担任の先生に相談します。そのうえで、毎月の活動報告が学校に届く形をつくる。これで校長先生が認めれば、出席として記録されます。

山形で使える材料が2つあります。

ひとつは県の「不登校児童生徒の支援ハンドブック」(全8章・本編137ページ)です。県が公式に出している文書なので、学校との話し合いで根拠にできます。

もうひとつは県の民間支援団体一覧に掲載されていることです。県が紹介シートまで作って公表している団体だ、と説明できるのは強い材料になります。

そして、山形にはもうひとつ動きがあります。令和9年(2027年)4月、山形県立すばる中学校が開校予定です。県立の夜間中学で、対象に「不登校等で十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した方」が明記されています。いま中学生のお子さんにとっては、将来の学び直しの受け皿があるということです。

ひとつだけ言わせてください。出席日数のために子どもを追い立てないでほしいと思っています。出席扱いはあくまで、その子が安心して次に進むための道具です。目的ではありません。

山形の制度は出席扱いが前提になっているぶん、親が焦りやすい構造になっています。補助金のために子どもを通わせるのでは、順番が逆です。まず本人が行ける場所を見つける。そのあとで制度を使う。それでいいと思います。

山形全域から、もっと網羅的に探したい方へ

この記事では、県が公表している民間支援団体のなかから、特徴がはっきりしている場所を中心に紹介しました。県の一覧は「不登校児童生徒の支援ハンドブックに掲載している団体と、掲載を申請された団体」という基準なので、これがすべてではありません。お住まいの市町村から探したい方は、明光フリースクール公式メディアの山形県のフリースクールと補助金一覧もご覧ください。

最後に

僕が不登校だったころ、親は相当悩んだと思います。でも最終的に「行かなくていい」と言ってくれました。あの一言がなかったら、今の僕はいません。

学校に行かない選択が、その子の可能性を狭めていいはずがありません。学ぶ場所は、学校以外にもあります。フリースクールはその一つです。

山形を調べていて、県が団体ごとに紹介シートを作っていることに一番感心しました。補助金を出すより、実は情報を整理して出すほうが手間がかかります。団体に連絡して、料金と対象と開所日を聞き取って、同じ書式にそろえてPDFにする。地味で、時間がかかって、誰も褒めてくれない仕事です。

それを「多様な学び推進室」という部署を作ってまでやっている県が、山形です。

あとは、補助金の金額が公表されればもっと使いやすくなります。それは県に伝えていけばいい話です。電話して「金額はいくらですか」と聞く人が増えることが、いちばん早く状況を変えます。

そして繰り返しますが、最初に選んだ場所が合わなくても、変えていいんです。合わなかったのは、その子のせいでも、その場所のせいでもありません。ただ、まだ出会えていないだけです。

この記事が、その出会いの手がかりになればうれしいです。

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僕自身も中学生までの10年間、不登校でした。しかし、その後は大学まで進学し、現在は会社の代表を務めています。

その経験を経て言えるのは「不登校は悪いことではない」ということ。行きたくない子を無理やり学校へ行かせるのも、良くありません。

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ABOUT ME
小幡和輝
1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。 不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。数百回の講演活動やオンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに1500人以上の不登校生徒をサポート。 テレビのコメンテーターなどメディア出演多数。著書に学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」など。ワタナベエンターテイメント文化人部門所属。